天上天下唯我独尊、本当の意味はとっても深いものでした。 「あいつ、唯我独尊で自分勝手なんだよ…」 なんて、聞いたことありませんか? 四字熟語である【唯我独尊】と、その元になっている【天上天下唯我独尊】。 こ […]
天上天下唯我独尊、本当の意味はとっても深いものでした。
「あいつ、唯我独尊で自分勝手なんだよ…」
なんて、聞いたことありませんか?
四字熟語である【唯我独尊】と、その元になっている【天上天下唯我独尊】。
これらの言葉は、実は意味を誤解して覚えている方がほとんどです。
もし、
自分勝手
偉そうな人
などと言う意味で覚えている方は要注意!
天上天下唯我独尊の本当の意味やその由来、お伝えしていきます(^^)
Contents
天上天下唯我独尊の本当の意味とは
それでは早速紹介していきます。
今回は【天上天下唯我独尊】について見ていきます。
まずは、辞書にてその意味を調べてみようと思います。
天上天下唯我独尊の辞書での意味と読み方
まずは読み方ですが、こちらは
「てんじょうてんげゆいがどくそん」
「てんじょうてんがゆいがどくそん」
のどちらかですね(^^)
時折間違えて
「てんじょうてんかゆいがどくそん」
と読む方がいるのですが、これは間違いです。
その意味について辞書にて調べてみた所、
- 天地間にある我よりも尊い存在はないということ
- 世の中に自分ほどすぐれているものはないとうぬぼれていること
(明鏡国語辞典参照)
このように書かれていました。
・・・一見するとめちゃくちゃ高飛車な、上から目線の意味に見えてしまいますね(ーー;)
ですが、これが多くの方が勘違いしているものなんです。
次は、辞書だけでは分かりにくい、本当の意味を掘り下げていきます。
天上天下唯我独尊の本当の意味とは
天上天下唯我独尊。
文字からしてかなりスケールの大きな意味を持っていそうなこちら、本当の意味は・・・
自分という存在は、誰も取って代わることの出来ない人間として生まれている。
おり、自分は自分のまま、何があってもこの命は尊い
というものなんです。
- 知力
- 体力
- お金
- 地位
- 名誉
これらに一切左右されること無く、自分という存在は等しくただ尊い。
だから、他人と自分に優劣を付ける必要はない、という意味になります。
また同時に、相手も同様に地位や能力に関係なく、等しく尊い存在であることも示しています。
そう考えると、相手と自分を比べて、
「自分のほうが勝っている!」
なとと自惚れたり、驕り高ぶることもなくなるというわけです。
最初に辞書の意味を説明した
【天地間にある我よりも尊い存在はないということ】
とは、まさに
地球上で自分の命ほど尊いものはない
という意味を示していたのです。
世間一般で認知されている天上天下唯我独尊・唯我独尊は【自分が一番偉い】というものです。
ニュアンスは似ているかもしれませんが、根底に隠された意味は全く異なります。
一切相手を見下すことはなく、むしろ自分という存在を極限まで尊敬しているからこそ、相手もまた心から尊敬することが出来る。
相手と自分、両方に対して最大限の敬意を払ってあるのがこの【天上天下唯我独尊】の本当の意味というわけです。
由来は仏教?
天上天下唯我独尊は、なんとあのお釈迦様=仏陀(ブッダ)が言った言葉なんです!
また、そのエピソードが強烈なんです(;・∀・)
この世に生まれてすぐ、七歩歩いた後、右手で天と指し、左手で地を指差し
天上天下唯我独尊
と言ったそうです。
生まれた瞬間ですよ!?
いや、普通の赤ちゃんなら100%ムリです(笑)
この辺り、
「さすがお釈迦様だな~」
って感じさせるエピソードですね(*´ω`*)
ちなみにこの話は、長阿含経(じょうあごんきょう)という仏教を監訳した書物に載っています。
正直な所、この話が本当かどうかは眉唾ものなところはあります(^_^;)
29歳で出世し、35歳で悟りを開いたとされているお釈迦様ですが、逆を言えばそれまでは普通の人間です。
にもかかわらず、生まれた間もない頃からのとんでもエピソードを見ると、
「いや、それちょっと変じゃないか?」
とも思ってしまいます(笑)
むしろ、普通の人間が苦労して苦心して、悩み抜いた末に悟りを開いたからこそ、お釈迦様はあそこまで素晴らしい人物となったわけですし(;・∀・)
ですが、大事なのはこの話が本物であるかどうかではありません。
天上天下唯我独尊の本当の意味、そして、そこに込められたお釈迦様の思いが素晴らしいものであるという事実なのです!
自分を尊敬し、卑下することも慢心することもなく過ごせ。
他の人が言うと、なんとなく受け入れ難いこの言葉。
ですが、悟りを開いたお釈迦様が言ったとなると不思議と説得力が増してきます。
そして、こんな言葉を後世に残し、かつこのような伝説まで語り継がれている。
お釈迦様は、弟子にも本当に好かれていた素晴らしい人物だったのが、こんな話からも見て取れますね(^^)
唯我独尊の誤用・誤解について
ここで、
- 天上天下唯我独尊
- 唯我独尊
それぞれの誤用・誤解を正しておきたいと思います。
まず、天上天下唯我独尊。
こちらは最初に説明したとおり、多くの方がその意味を
【自分が一番偉い!】
みたいな意味で捉えてしまっています(ーー;)
ですが、その裏には
【自分が何より尊いんだから、誰と競う必要もなく、また驕ってもいけない】
という、自分への敬意と戒めも込められていました。
その点しっかりと把握してもらえればなと思います(^^)
で、唯我独尊についてです。
四字熟語である唯我独尊は、日常的に用いられることもしばしば・・・
しかし、とにかく誤用が目立ちますね(ーー;)
あいつは唯我独尊で勝手だよ!
唯我独尊、我が道を行きやがって…
このように、誰かの身勝手を咎める、あるいは攻め立てる用途で使われることがしばしばある唯我独尊です。
実際、こういった使い方があまりに多いので、辞書にもあった
【世の中に自分ほどすぐれているものはないとうぬぼれていること】
という意味が追加されたくらいです(^_^;)
ある意味現代に置いては、間違った意味ではないのかもしれません。
ですが、元々の意味はむしろ真逆であり、本当の意味を考えると、やはり現代の唯我独尊は誤用というべきなのかもしれませんね。
例文で使い方を紹介!
最後に、唯我独尊の使い方を例文で紹介しておきます。
ここでは、
本当の意味での天上天下唯我独尊
日常的使われている唯我独尊
2つの用途で見ていきます。
個人戦で初めて優勝したぞ!
・・・けど、天上天下唯我独尊。
先生の教えや、一緒に頑張った友達、自分の努力全てがあってこそだ。
驕るんじゃなくて、みんなに感謝して、次も頑張ろう!
試合での優勝、誰でも嬉しいですよね(^^)
ですが、それは決して一人の頑張りではありません。
- 先生(コーチ)の教え
- 競い合う仲間
- 支えてくれたマネージャー
- 自分自身の努力
全てが重なって初めて得ることの出来た成果です。
ですから、ここで慢心してはいけません。
まして、
俺が強いから勝ったんだ!
は絶対に駄目です!
自分自身の努力も認めつつ、慢心するのではなく周り全てに感謝して次に繋げるのが大切です(^^)
このように、天上天下唯我独尊は、相手に使う言葉ではなく、どちらかと言えば自分自身に言い聞かせる形での使い方が正しいかもしれませんね。
待ち合わせ無視して先に会場行ったの!?
遅刻しといてやるか普通・・・
あいつ、本当に唯我独尊を地で行く男だよな…(^_^;)
これ、実は私の知人が実際にやったことです(笑)
まさに唯我独尊なやつだ!!
とこの時は本気で思いました・・・
現代の使い方で考えると、このように相手の身勝手さを戒める意味での使い方が正しいと言えますね(^^)
確かに、今日はお前のハットトリックで勝つことが出来た。
でも、一人で敵陣に切り込む唯我独尊なプレーばかりしていると、いつかしっぺ返しくらうぞ?
おまえはエースだ!
だからこそ、仲間をもっと大切にして、助け合うことの重要さも知っていかないとな!
どんなスポーツでも、やはりエースはわがままな部分・強気な部分を持っています。
というより、そういった我の強さもエースの素質な部分がありますからね。
ですが、それだけではいけません。
唯我独尊なエースでは、一流にはなれても、超一流の選手にはなれないのです。
この例文は、教える立場の人がそういったエースの本質的な部分を諭している一文となっています(^^)
天上天下唯我独尊!あなたは尊いです
今回は、天上天下唯我独尊・唯我独尊の本当の意味について見ていきました。
言葉って難しいですよね(^_^;)
みんなが使っている意味や使い方=正しい意味とは限らないこともある。
全員が正しいと思っていることが違うなんて・・・最早恐怖です((((;゚Д゚))))
特に、天上天下唯我独尊・唯我独尊は誤用や誤解が本当に多い言葉です。
これを残したのはお釈迦様であることを考えると、絶対身勝手で自分勝手な言葉なんて言いませんよね(笑)
もちろん、ほとんどの人が
唯我独尊=わがまま・自分勝手
と認識している以上、あなた一人が
「唯我独尊は実は、自分を大切にして、驕らないことなんだよ。」
なんて言ったところで、
「何言ってんの?」
となるのがオチです(ーー;)
そう考えると、使う相手を考慮しつつ、言葉を選んで用いたほうが無難と言えるでしょう。
本当の意味についてあなたが知っている。
これこそが最も大事なことなんです。
例文で紹介したように、自分自身への戒めとして天上天下唯我独尊を使いつつ、唯我独尊の正しい意味もしっかりと意識してもらえればなと思います(^^)
あなたは、唯我独尊な人間にならないよう、気をつけてくださいね( ̄ー ̄)