母国語として使っている日本語や漢字だからこそ、細かい意味がわからなくても、そのまま使ってしまっているのかもしれません。 「吠える」と「吼える」の違いは、そのような例の一つだと思います。 どちらも大まかな意味 […]
母国語として使っている日本語や漢字だからこそ、細かい意味がわからなくても、そのまま使ってしまっているのかもしれません。
「吠える」と「吼える」の違いは、そのような例の一つだと思います。
どちらも大まかな意味は同じようなものだと思いがちですが、細かな違いや使い分けをしっかりできていると自信を持って言える人は少ないと思います。
ここでは、そんな知っているようで意外と知らない「吠える」と「吼える」の違いについて解説をしていきたいと思います!
Contents
吠えるの意味
まずは「吠える」の意味について解説をしていきます。
「吠える」の辞書的な意味ですが、以下のような意味になります。
- 犬や猛獣が大声で鳴く
- 声をあげて泣く
- どなる
基本的な意味合いとしてはなんとなく意味が理解できると思います。
基本的には吠えるは動物が鳴いている際のイメージが強いですが、人間が雄叫びをあげたりする際にも「吠える」はよく使われます。
スポーツなどで鼓舞するために「吠える」という表現が使われることがありますよね。
吠えるの使い方を例文で解説
では「吠える」の使い方を例文を交えて解説していきましょう。
・小動物が可愛らしい声で吠えた
小動物が吠える姿ってなんだか可愛いですよね。
そのような姿を表す際には「吠える」がよく使われます。
・気合いを入れるために思わず吠えた
スポーツの試合で、ここぞという時には吠える選手が多いですよね。
あの姿ってかっこいいですよね。
このように、動物に限らず「吠える」は使われますが、その意味合いやニュアンスとしては、自分に気合いを入れるために叫ぶのようなニュアンスが近いです。
吼えるの意味
続いて「吼える」の意味を紹介していきます。
「吼える」の辞書的な意味は以下のようになります。
- 犬・猛獣などが大声で鳴く
- 声をあげて泣く
- どなる
これは見ての通り上記の「吠える」と全く同じになります。
つまり辞書的な意味合いでいうと、「吠える」と「吼える」には違いがないということになります。
しかし、結論から先に言うと、この「吠える」と「吼える」には違いがあります。
そしてそれによって受けるニュアンスが異なってきます。
このような意味としては同じだけど、受けるニュアンスが違うという表現は、母国語ならではだと思います。
そのニュアンスの違いについては後述していきます。
使い方を例文で解説
では「吼える」の使い方を例文を交えて解説をしたいと思います。
・大型の肉食獣が吼えた
例文のように図太い鳴き声がイメージできる場合は「吼える」が使われることが多いです。
・気合いを入れるために思わず吼えた
こちらはあえて、上記の「吠える」の例文と同じものしました。
意味が同じである以上、こちらの「吼える」でも意味としては成り立ちますね。
しかし、この「吠える」と「吼える」では受け手の印象が違ってくるはずです。
ではこの「吠える」と「吼える」でどう違うか、解説していきます。
吠えると吼えるはどう違う?
「吠える」と「吼える」ですが、どう違うのでしょうか?
結論から言えば、声を出しているものサイズや声の出し具合によって、使われる漢字が違います。
そして、このサイズや声の出し具合に明確な基準はありません。
ですので、それらは漢字を使う人の塩梅で決められるためなかなか難しいところがあります。
犬はどっち?
では犬の場合はどうなのでしょうか?
これは基本的には「吠える」の漢字が使われます。
「吠える」という漢字は「犬」という漢字が使われており、まさに犬サイズの動物が吠える際にはこちらの「吠える」が使われます。
しかし、それでも明確な決まりはないため、あえて迫力を出したり、凶暴な犬が吠えている様子を表すために「吼える」を使っても間違いではありません。
むしろ、漢字を使うことによって、受け手へのニュアンスを変えたり、イメージを手助けする良い例ですね。
ライオンは?
ではライオンの場合はどうなるのでしょうか?
ライオンの場合は、基本的には「吼える」になります。
ライオンの場合は犬より大きく、そして凶暴な吼え方をしますよね。
ですので「吼える」を使って、より迫力のある漢字を使います。
猫は鳴く?
猫の場合は、どうなのでしょうか?
根本的に、猫は吠えません。
猫の場合は基本的に「鳴く」と表現されます。
ですが、もしあえて「ほえる」と表現をしたかったら猫のサイズや鳴く様子を考えると、「吠える」が当てはまるでしょう。
吼えるはいつ使うの?
吼えるを使うのは基本的には「猛獣」だと考えていいでしょう。
「猛獣」が威嚇などで声を出している際には「吼える」を使います。
そして犬ぐらいのサイズの場合は「吠える」、それより小さい場合は根本的に「吠える」とは表現をしません。
まとめ
「吠える」と「吼える」の違いについてお伝えしていきましたが、どうだったでしょうか。
どちらも基本的には同じ意味ですが、ニュアンスや状況によって二つを使い分ける必要があります。
そして、そのようなニュアンスの違いを出せるのは母国語ならではです。
ぜひ「吠える」「吼える」のような細かいニュアンスの違いを使いこなして、しっかりと相手に意味や状況を伝えられるようにしてくださいね!