日本語には似たような漢字や意味の言葉が多く存在します! 今回は「永劫」「永遠」「永久」、3つの言葉の意味やその違いについて解説したいと思います。 全部同じ意味のような気もしますが… しっかりと使い分けられる […]
日本語には似たような漢字や意味の言葉が多く存在します!
今回は「永劫」「永遠」「永久」、3つの言葉の意味やその違いについて解説したいと思います。
全部同じ意味のような気もしますが…
しっかりと使い分けられるようになりましょう(^^)
永劫の意味
まずは「永劫」から…「永劫」は「えいごう」と読みます。
昔は「ようごう」とも言っていたようですが、現代は圧倒的に「えいごう」と読む場合が多いですね!
三省堂大辞林によると、「永劫」の意味は「きわめて長い年月。永久。永遠。」となっています。
…ちょっと待ってください。
永久、永遠って言ってますねΣ( ̄ロ ̄lll)
しかし、「永劫」って、なかなか見かけませんし日常生活でも使用しませんよね。
調べてみると、小説などでは割と「永劫」を単品で使用するようですが、たいていは「未来永劫」という熟語で使用することが多いように感じます。
例文としては
・この幸せが未来永劫続くことを祈りたい
→長い時間(死ぬまで?)ずっと続く
・伝統の技は未来永劫引き継がれるべきだ
→何百年、何千年後も
・彼女が振り向いてくれることは未来永劫ないだろう
→一生、死ぬまでない
・未来永劫の愛なんて存在するのだろうか
→ずっと(死ぬまで)続く愛
などが挙げられます。
良いことでも悪いことでも「ずっと続く」ことを意味しているのがわかりますね!
永遠の意味
続いて「永遠(えいえん)」です。
こちらも三省堂大辞林によると、「ある状態が果てしなく続くこと(さま)。永久。永劫。とこしえ」と出てきます。
またも「永久」「永劫」が出てきてしまいましたが、永劫はただ「長い年月」という意味しかありませんでした。
しかし、「永遠」には「状態が果てしなく続く」とあるので、意味が違うのがわかりますね!
「永遠」の例文を見てみましょう。
・結婚式で永遠の愛を誓った
→果てしなく続く愛
・こんな毎日が永遠に続けばいいのにな
→果てしなく続けば
・人の気持ちに永遠なんてないよ
→気持ちが果てしなく続くことはない
愛、日常、心…「永遠」は形のないものに使用されているのがわかりますね!
永久の意味
最後に「永久」の意味です。
三省堂大辞林で「永久」は、「いつまでも限りなく続くこと。時間の果てがないこと。また、そのさま。とこしえ。永遠。」とあります。
ちなみに「永久」は「えいきゅう」と読みますが、「とわ」と読む場合もあります。
一見「永遠」と意味が変わらない気がしますが…「永久」にしかない意味はあるのでしょうか?
「永久」は物質に対して使用される場合が多いです。
例文を見てみましょう。
・彼女は貯まったバイト代で遂に永久脱毛をした
→脱毛状態が限りなく続く
・この廊下は永久に続いているんじゃないかと思うくらい長いね
→廊下が限りなくずっと続いている
・乳歯が抜けると永久歯が生えてくる
→(死ぬまで)ずっと続く(使う)歯
・巨人の1番は永久欠番だ
→欠番状態が限りなく続く
どうでしょうか?
「ずっと続く」「終わりがない」という感じが伝わってきますね!
「永久」といえば、「半永久的」という言葉もありますね。
これも物質に使用されることが多いので、定義としては間違っていないことがわかります。
永劫・永遠・永久の使い分け
3つの言葉の意味が分かったところで、それぞれの使い分けについて解説します。
「永劫」「永遠」「永久」の意味をもう一度確認しましょう。
- 永劫:きわめて長い年月(時間)
- 永遠:ある状態が果てしなく続く(目に見えないものの状態)
- 永久:いつまでも限りなく続く(主に物質の状態)。時間の果てがない(時間)
似たような意味ではありますが、( )を見ると何を対象としているのか、どう使い分けたら良いかがわかりますね!
ちなみに「永久脱毛」「永久歯」などを「永劫」「永遠」で言い換えることはできませんが、
・この幸せが未来永劫続くことを祈りたい→永久に続く
・彼女が振り向いてくれることは未来永劫ないだろう→永久にない
・結婚式で永遠の愛を誓った→永久(とわ)の愛
・こんな毎日が永遠に続けばいいのにな→永久に続く
のように、「永劫」や「永遠」は「永久」に言い換えても違和感がありません。
意味を見てもわかるように、最も広い意味で使用できるのは「永久」、次いで「永遠」、そして3つの言葉の中で「永劫」は限られた意味しか持たないと言えるでしょう。
まとめ
今夏は「永劫」「永遠」「永久」という3つの言葉の意味やその違いをご紹介しました!
それぞれの言葉は、
永劫:きわめて長い年月(時間)
永遠:ある状態が果てしなく続く(目に見えないものの状態)
永久:いつまでも限りなく続く(主に物質の状態)。時間の果てがない(時間)
という異なる意味を持っており、何を指すかも微妙に違っています。
しかし、3つの中で「永久」は最も広い意味で使用され、「永劫」「永遠」と言い換えても違和感がありません。
特に「永遠」と「永久」は意味が良く似ていますが、違いをよく理解し、上手に使い分けられるようにしていきましょう(^^)