心置きなくの意味や使い方を例文解説!由来や敬語も紹介します

あなたは「心置きなく」という言葉を正しく使えていますか? 「心置きなく」は、ビジネスシーンで使えればスマートに感じる言葉ですが、間違って使いたくはないものです。   今回は「心置きなく」をうまく使えるようになる […]

あなたは「心置きなく」という言葉を正しく使えていますか?

「心置きなく」は、ビジネスシーンで使えればスマートに感じる言葉ですが、間違って使いたくはないものです。

 

今回は「心置きなく」をうまく使えるようになるために、その意味や使い方を徹底解説いたします!

記事は下に続きます。

心置きなくの意味

「心置きなく(こころおきなく)」とは、形容詞「心置きない(こころおきない)」の連用形です。

現代では「心置きなく」で使うことがほとんどで、「心置きない」を使うことはあまりありません。

 

一般的には「心置きなく」が多く見られますが、「心置き無く」と漢字で書く場合もあります。

「心置きなく」には2つの意味があります。

 

一つは「他者に対して気兼ねしないさま」、「遠慮なく」という意味で、「心置きなく語り合う(気兼ねなく語り合う)」といった使い方をします。

相手に気兼ねせずに何かをできる場合、「心置きなく~する(できる)」などと表現されます。

 

もう一つは「心配事や不安がないさま」、「安心して」という意味で、「心置きなく遊びに行く(安心して遊びに行く)」といった使い方をします。

心配や不安がない安心な状態で何かをする場合に「心置きなく~する(できる)」などと表現されます。

 

安心できる相手だから遠慮なく、気兼ねせずにいられるわけで、どちらも心配をせずに何かを行えるさまであることがわかります。

「心置きなく」の使い方を例文で解説!

「他者に対して気兼ねしないさま。遠慮なく。」という意味の例文

  • 「今日は10年来の友人と心置きなく朝まで語り合うことができた」
  • 「君と私の仲なんだから、心置きなくなんでも話してくれ」
  • 「ここは自分の家だと思って、心置きなく過ごしてください」
  • 「妻の両親があたたかく迎えてくれるので、心置きなく滞在できる」
  • 「ささやかな宴席をご用意いたしました。心置きなくお召し上がりください」

 

「心配事や不安がないさま。安心して。」という意味の例文

  • 「懸案だったトラブルが片付いたので、心置きなく連休を楽しむことができそうだ」
  • 「こちらは残ったメンバーで対応しますから、心置きなく休んでくださいね」
  • 「私の後任は優秀な人物だとわかっているので、心置きなく転勤できる」
  • 「明日は有給休暇なので心置きなく家で酒を飲んでいたら、緊急呼び出しの電話がかかってきた」
  • 「定年退職した後は、心置きなく趣味の時間を楽しみたいと思っている」

心置きなくの由来もチェック

そもそも「心置きなく」の「心置き」とは、「心づかい、遠慮、気兼ね」のことです。

つまり「心置きなく」をそのままで言い換えれば、「心づかいなく、遠慮なく、気兼ねなく」となります。

 

現代では「心置き」や「心置きない」はあまり使われることなく、「心置きなく」のみが使われ続けています。

 

「心置きなく」や「心置きない」とよく似た言葉に、「気の置けない」あるいは「気が置けない」があります。

 

「気の置けない」は「気の置けない仲間と過ごす」のように使われます。

「気の置けない」の意味も「心置きない」同様に、「気を遣わない」「遠慮をする必要がない」「気を遣うことなく、気楽に付き合える」という意味です。

 

しかし「気の置けない」は「置けない」という言葉から、否定的なニュアンスの「置くことができない」と感じてしまうためか、「気を許すことができない」の意味に間違われることが多い言葉です。

 

「気の置けない」の反対の意味合いを持つ「気が置ける」は、「何となく打ち解けられない。遠慮される。」の意味で、こちらが対象を否定的に捉えた言葉です。

 

文部科学省が平成18年度に行った「国語に関する世論調査」によると、「気が置けない」の意味を正解の「相手に気配りや遠慮をしなくてよいこと」よりも、「相手に気配りや遠慮をしなくてはならないこと」の間違えた意味だと答えた人が多かったそうです。

 

「気の置けない」「気が置けない」は、とても間違えている人が多い言葉ですから、誤用しないように気をつけたいですね!

心置きなくを敬語にすると?

ビジネスシーンでは、「気にせずに(お気になさらず)、~」を伝える時に、敬語表現として使えるのが「心置きなく~」という表現です。

「心置きなく」をあえて敬語表現をするならば、「お心置きなく」を使うことも考えられます。

 

それよりも、「心置きなくお過ごしください」のように、「心置きなく~」の後に続く言葉を敬語にすることが一般的です。

 

ケースバイケースですが、相手に対して「お気になさらず」「ご遠慮なさらずに」「お気兼ねなく」を使う場合、それらの代わりに「心置きなく」を使うと言葉が短くまとまるメリットもあります。

 

「心置きなく」なら敬語の言い回しを意識しなくてもよく、それでいて丁寧な印象のある言葉なのでうまく使えるようになると便利です。

まとめ

「心置きなく」の意味や使い方、その由来について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか。

 

「心置きなく」はさらっと使えるとスマートな言葉ですから、ビジネスシーンはもちろん日常のメールや手紙を書く際にもとても重宝します。

ぜひ正しい使い方を身に着けて使ってみてくださいね!