出身地と出生地の違いを簡単解説!何歳まで当てはまるの?

「出身地(しゅっしんち)」と「出生地(しゅっせいち・しゅっしょうち)」は似ているようで違う言葉です。 あなたは「出身地」と「出生地」の違いや、それぞれの言葉の意味を正確に言えますか?   なんとなく違いはわかっ […]

「出身地(しゅっしんち)」と「出生地(しゅっせいち・しゅっしょうち)」は似ているようで違う言葉です。

あなたは「出身地」と「出生地」の違いや、それぞれの言葉の意味を正確に言えますか?

 

なんとなく違いはわかっていても、正確に説明するのは難しい言葉だと思います。

今回は、「出身地」と「出生地」の違いについて解説いたします!

記事は下に続きます。

出身地と出生地の違いを簡単解説

  • 「出生地」とは「生まれた土地」
  • 「出身地」は「一定期間を過ごし、人格形成に大きな影響を及ぼした土地」

 

のことをそれぞれ指す言葉です。

ただし、「出身地」には「出生地」と同じ「生まれた土地」も含みます。

 

「出生地」を生まれた土地、「出身地」を育った土地、と使い分けた方がわかりやすいのかもしれませんが、実際には出生地を出身地として表記することもあり、混同しやすい言葉になっています。

出身地の意味や定義

「出身地」を辞書で引くと、「その人が生まれた土地。あるいは、その人が育った土地。」とあり、生まれた土地・育った土地、さらにはその両方の生まれ育った土地を指す言葉です。

 

出身地には生まれた土地(出生地)の意味も含まれていますが、これはほとんどの人が生まれてから進学したり社会に出るまでの一定期間を、同じ土地で過ごすからかもしれませんね。

 

「出身校」や「出身大学」と言った場合は、卒業した学校・大学を指すように、出身地は一般には育った土地・場所を指します。

 

「育った土地」をより詳しく言うならば「一定期間を過ごし、人格形成に大きな影響を及ぼした土地」となります。

 

出身地を公表・明示している例としては、大相撲力士やプロ野球選手、プロサッカー選手などがあります。

特に大相撲力士は、取り組みの呼び出し時に「○○県○○市出身」とアナウンスされます。

 

ここで疑問になるのは、

 

コト

子どもの頃に引っ越しで生まれた場所と育った場所が違うであったり、小学生や中学生時代に引っ越した場合はどうなるの?

 

ということです。

 

大相撲の出身地は全て自己申告で、本人が自分の出身地と思った土地を届ければ、それが公式にアナウンスされるのだとか。

 

プロ野球選手の中には、越境入学で他府県の高校に進学した選手も珍しくなく、中学まで育った土地と、出身高校のある土地で違いが出ます。

 

プロ野球選手の情報を載せているプロ野球名鑑では、生まれた土地か子ども時代を過ごした土地を出身地として記載しています。(ただし日本野球機構は選手の出身地を出しておらず、非公式なものです)

 

サッカーの元日本代表で2002年の日韓ワールドカップで活躍した稲本潤一選手の場合、生まれが鹿児島県で生後2ヶ月で大阪に引っ越して、中学1年からガンバ大阪の下部組織でプレーしています。

 

しかし稲本潤一選手は、テレビや選手名鑑などで「出身地:鹿児島県」と紹介されることもありました。

 

このように「出身地」の扱われ方には曖昧さが残っているのが実状です。

しかしながら、辞書に「その人が生まれた土地。また、育った土地。」とあるように、間違っているわけではありません。

出生地の意味や定義を紹介

曖昧さがある「出身地」と比べれば「出生地」の定義は明確で、「出生した土地」それだけです。

「出生地」という言葉は戸籍法にも出てくる言葉で、その第五十一条に「出生の届出は、出生地でこれをすることができる。」とあります。

 

出生届には「生まれたところ」を記載する欄があり、医師または助産師が記載する出生証明書にも「出生したところ及びその種類」が記載されます。

 

そして出生地は戸籍に記載されるので、全ての項目が記載された戸籍謄本を取り寄せれば、自分の出生地を確認することができます。

 

母親が出産する際に自分の実家や、実家の近くの病院などで出産する場合は、法律上の出生地が自宅のある場所とは別の土地になる場合もあります。

 

日本での出生地は、戸籍に記載されるだけの存在ですが、出生地主義を取っている国では大きく意味が変わってきます。

 

特に、無条件の出生地主義を取っているアメリカ合衆国やカナダでは、親の国籍および滞在資格に関わらず、その国で出生した子には自動的に国籍が与えられます。

出身地って何歳までを指すの?

では、「その人が生まれた土地。また、育った土地。」を指す「出身地」は、何歳まで育った土地を指すのでしょうか?

 

ネットでは「15歳くらいまで、最も長く住んでいた場所」という定義を国交省がしているという説が流れていますが、これはソースが定かではありません。

 

省庁によっては幹部公務員の略歴公表において出身地の記載がありますが、総務省では「原則本籍地所在の都道府県だが本人の自己申告が優先」としているそうです。

 

国立国語研究所が行った「首都圏の言語の実態と動向に関する研究」では、「5歳から15歳まで最も長く住んでいた場所」を「生育地」としています。

 

「出身地」の一般的な認識も同様に、「物心がつく年齢から15歳(中学校卒業)くらいまでの間に最も長く過ごし、人格形成に大きな影響を及ぼした土地」であると見られます。

 

しかし、明確な定義が存在するわけではなく、生まれた土地を出身地と書く場合もあるなど、その定義は曖昧です。

まとめ

戸籍法上や国籍上、言葉の意味がはっきりしている「出生地」と比べて、「出身地」はかなり言葉の意味が広い曖昧さが残る言葉です。

 

「15歳くらいまで」という定義にしても、子ども時代に引っ越しで転々としていたら単に住んでいた年数では決めにくく、自己申告が一番重要視されています。

出身地は本人にとって「自分が育った土地」だと思う土地でいいのではないでしょうか。