アイデンティティの意味、本当に【個性】なのでしょうか? 最近よく耳にするカタカナ英語。 その中でも特に利用頻度の高い言葉の一つが アイデンティティ です。 なんとなく使っている方も多いこの言葉 […]
アイデンティティの意味、本当に【個性】なのでしょうか?
最近よく耳にするカタカナ英語。
その中でも特に利用頻度の高い言葉の一つが
アイデンティティ
です。
なんとなく使っている方も多いこの言葉ですが、その意味をきちんと理解している人は少ないようです・・・
今回は、知っているけど知らない単語【アイデンティティ】の意味についてみていきます。
Contents
アイデンティティの意味は何?
それでは紹介していきます。
今回は、アイデンティティの意味についてです!
最近よく耳にするこちらの言葉。
実際、若い人を中心に口にすることも増えてきています。
カタカナ英語として日本語にもかなり馴染んだ印象のあるこちら、あなたは正しい意味を知っていますか?
私は、アイデンティティ=個性だと思っていたのですが、どうやら少し違うようなんです。
面白いもので、私達はアイデンティティを口にしているにも関わらず、その意味の詳細を知らないのです。
そしてなんとなく使っている・・・これって、なんだかおかしな話ですよね(^_^;)
気付いてしまったら、なんだか私も恥ずかしくなってしまいました。
実はこの言葉、数多くの分野で用いられてる言葉だったのです!
- 辞書
- 社会学
- 心理学
- 日本語
様々な視点から、【アイデンティティ】を分析してみました。
多くの人が勘違いしているその本当の意味、解説していきます。
【アイデンティティ】の意味を辞書で見てみたら・・・
まず最初に、辞書に書かれているアイデンティティの意味から見ていきます。
辞書には
- 自己同一性
- 自我同一性
- 帰属意識
- 主体性
等の単語が書かれています。
また、説明文としては
- 自我によって統合されたパーソナリティが、社会や文化とどのように相互作用し合っているかを説明するための概念
- 自己が時間や環境の変化に関わらず、連続する同一性のものであること
等の内容が書かれています。
・・・これ、分かりますか?
何冊か辞書を見てみたのですが、はっきり言って全部!!
その説明は
めちゃくちゃ難しい
です!
いやもう本当に、分かってもらう気ないんじゃ無いかとしか思えないような内容ばかりです(^_^;)
ですが、このサイトまで足を運んできているあなたは、ほぼ間違いなく
アイデンティティの意味を分かりやすく知りたい!
と思っているはずです。
折角来てくれたあなたを、手ぶらで帰すわけにはいきません♪
ここからは、わかりやすく簡単にその意味を解説していこうと思います(^^)
簡単わかりやすいアイデンティティの意味!
一言で言うと、アイデンティティとは【自分自身】あるいは【自分の考え】です。
これを一番わかりやすくイメージできる質問が、
あなたは、どんな人間ですか?
というものです。
これに対する答えこそ、あなたのアイデンティティに他なりません!
食べ物が好きな人間
優しい性格
のんびり屋さん
あなた自身があなたを表現出来るなら、あなたはもうアイデンティティを理解できているのです(^^)
ただし、ここで注意したいのが【周りが評価するあなたのイメージ像】です。
例えばあなたが、100メートルを10秒ジャストで走れたとします。
周りの人たちは当然
- 「おまえ本当に足早いよな!」
- 「○○さんって、俊足ですよね」
- 「それだけ足が速かったら、走るの楽しいだろうな」
みんながあなたの足の速さを評価してくれます。
ですが、もしこの時あなたが
「10秒切れないなんて、なんて私は足が遅いんだろう」
と思っていたなら、どれだけ他の人がそう思っていたとしても【足が速い】はあなたのアイデンティティにはなり得ないのです。
周りの人の評価ではなく、あなた自身があなたに対して持っている考え方。
これこそがアイデンティティなのです。
この事は、周りと自分の評価が今と逆の場合でも言えます。
あなたが50メートルを10秒かけて走る人だとします。
周りの人は、あなたのことを【足が遅い人】と認識するでしょう。
ですがこの時、あなたが
【10秒で走れるなんて、私は足が速いな】
と考えているならば、足が速いはあなたのアイデンティティになるのです。
周りの評価や他者との比較は一切関係ありません!!
あなた自身のあなたに対する考え方
唯一これこそが、あなた自身を示すアイデンティティになり得るというのを覚えておいて下さいね(^^)
仕事や家族、恋愛に友人関係等あなたを取り巻く様々な要素を全て受け止め、その上で自分が一体どんな人間なのかが頭に浮かぶ。
そして、あなた自身が思うあなたの考えに沿った行動が出来る。
これこそあなたのアイデンティティが確立している瞬間です!
自分自身がどんな人間か説明できる=自己認識が出来ている
これこそアイデンティティの意味であり、真実です!
あなたは説明、出来ますか?
ちなみに私は【食べるのが好きなのんびり屋】です(笑)
心理学・社会学の視点から意味を分析
さて、アイデンティティの意味が分かったところで、少し専門的な分野における視点からの分析を行います。
実はこの言葉、様々な分野で用いられていて、研究者の間でも認識が別れる所なんです。
その中でも特にこの言葉を多用しているのが社会学・心理学分野。
この分野における第一人者は、アメリカの心理学者【エリク・ホーンブルガ-・エリクソン】です。
彼は、アイデンティティという概念の生みの親とされています。
大学などで心理学を専攻すると、必ず耳にする名前で、私も介護や社会福祉の関係で取っていた心理学講義の際、何度も耳にしました。
彼は、年代別に心理的課題を分類した【心理社会的発達理論】を提唱した人物で、その理論によると私達人間が年代事に乗り越えるべき心理的課題があるとしています。
段階事の課題を上手く乗り越えられるか否かで、その人の人格形成・アイデンティティ確立に影響が出るとしています。
ちなみに、エリクソンによると青年期(12~22歳前後)にアイデンティティ形成がなされるとのことです。
この時の課題は【自己同一性の拡散】です。
わかりやすく言うと、
あなた自身の自分のイメージと、他者による自分への評価の違いに悩む時期
と言うことになりますね。
自分が何者か、しっかりとした自己認識を持てるかどうかが、あなたのアイデンティティ確立に繋がるのです。
特にこの年頃の時は、周りの評価が気になってしまうもの。
同じファッション、同じ言動、同じ行動をすることで仲間意識を持って楽しく過ごすのも青春です。
ですが、あなた自身の考えを確立するためにも、時には心の声に従ってあなた自身が思うあなたの考えに沿って行動するのも忘れないで下さいね(^^)
ちなみにこの課題、あくまで青年期は始まりに過ぎません。
一生かけてこの課題に悩み、葛藤しながらも自己を確立していく。
この一連の流れこそがアイデンティティの確立であり、あなたという人間を更に確固たる人物へと変えていくものなのです。
・・・と言うのが、心理学におけるとらえ方となります。
周りと自分自身の評価、現代では周りの評価に流されがちですが、エリクソンは自分自身の評価を大事にしろと言いたかったのでしょうね。
あなたは、周りの評価に流されず、しっかりとした自己認識が出来ていますか?
使い方・例題紹介
さて、ここでアイデンティティの使い方について例題を交えつつ紹介していきます。
いくら言葉そのものを知っていても、使い方が分からなければ意味が無いですからね(^_^;)
「私ならどうやって使うかな?」
あなたも一緒に考えつつ、文例を読み進めて下さいね(^^)
- 彼女はアイデンティティをしっかり持ち、それに従い行動している
自己を認識し、しっかりとそれに従っている。
まさにアイデンティティの確立を表す一文ですね!
- リレーで負けて、自分のアイデンティティが分からなくなった・・・
【足が速い】という自己認識が崩れたことによって、自分自身が分からなくなっている状態ですね。
これが一番辛いのですが、乗り越えさえすれば更に強固になった自己の認識が可能となります(^^)
- 私の店のアイデンティティは、安くて多い料理だ!
こういう大衆料理屋さんが一軒身近に本当に助かりますよね♪
・・・味の方が気になるところではありますが(笑)
- あなたのアイデンティティは、色白くて美人でしょ?
これは、他者が勝手にあなたの自己を決めつけている間違った使い方・・・なのですが、日本語の場合は通常となっています。
外国で生まれた言葉が、日本に入り違った形になっていく。
面白いですね(^^)
- 四季折々の美しさ!これこそ我が国のアイデンティティだ!
日本独自の美しさである四季。
このように、相手が国であってもアイデンティティという言葉を用いることは可能です。
どうだったでしょうか?
色々な使い方が見て取れたかと思います。
文例から見て分かるように、色々なケースでこの言葉を使うことが出来ます。
元々はアメリカのエリクソンが発案した考え方であっても、日本に入ってくることによってその意味は変わってきています。
次は、日本におけるアイデンティティの変わった特徴に焦点を当ててみたいと思います。
何故日本ではアイデンティティ=個性となったのか
私もそうだったのですが、日本人の多くは
アイデンティティの意味=個性
と思い込んでいます。
ですが、実際には個性ではなく【自分が認識している自分像】こそが本来の意味のはずです。
一体なぜ、このような微妙にずれた意味がここまで広まっていったのでしょうか?
そもそも英語を日本語に和訳するのは、かなり難しいものがあります。
英語と日本語とでは、そもそもの言葉の持つ意味が変わってきてしまうため、精密な略をすることは難しかったためです。
アイデンティティと言う言葉が日本に入ってきた当初、完全に訳することが出来ず、結果として似たような概念である【個性】と言う意味へと姿を変えていった。
と推測できます。
そもそも、自己認識と言う言葉自体、理解が難しいところではあります。
確かにざっくりとした意味では、自己認識=自分の個性を理解することでもあるため、このような薬でも完全に間違っているとは言えません。
実際、心理学者・社会学者であってもアイデンティティの完全な説明は難しく、その言葉を私達一般人にまで広めていくとなると、そのハードルは高いと言わざるを得ません。
簡単かつわかりやすく、日本でアイデンティティという言葉を普及していく中で、自然と日本人であっても理解できる概念【個性】へと姿を変えていった。
この考察が、当サイトでも結論となります(^^)
まあ実際使ってみれば分かるのですが、
私のアイデンティティは料理上手よ!
料理が上手なのが私の個性なの!
と、使い方によっては全く同じ意味にもなるんですよね、これ(^_^;)
個性一つ取ってもこれだけ解釈が変わってくるのですから、本当に日本語は奥が深いです・・・
他にもこんなアイデンティティが!
実は、他にも様々なアイデンティティが現代社会にはあふれているんです!
- コーポレートアイデンティティ
- ナショナルアイデンティティ
- 関西人アイデンティティ
- アイデンティティクライシス
これら全て、実際に使われている言葉です。
まず、コーポレートアイデンティティ。
これは、マークやロゴ・ブランド名等一目見ただけでその会社だと分かるものを指す言葉です。
わかりやすいところで
TOYOTAの車のマーク
ローソンの看板
グッチの商品
等ですね。
どれもとってもわかりやすい、それこそ一目見ただけでその会社の商品だと分かるものばかりです。
ナショナルアイデンティティは、国民としての自己認識を指します。
他国の人たちを見渡した後で、自分が自国の国民であるという認識が出来ていることとなります。
自分がある組織に属しているという意識のことを【帰属意識】と言います。
その代表例が関西人アイデンティティとされています。
東京で暮らしていた関西人の方が、久しぶりに関西に帰り地元で関西弁でおしゃべりをする。
この時、テンションが上がったり、何とも言えない安心感を感じるはずです。
そのときに感じる、ある集団=関西人に属してる感覚こそが関西人アイデンティティと言う訳です(^^)
最後に、アイデンティティクライシスですが、こちらは【不安定な精神状態になり、自分が何者なのか自分で分からなくなってしまう状態】を指します。
まさに、アイデンティティ(自我)のクライシス(危機)ですね。
この状態にはなりたくないものです・・・
アイデンティティを確立しよう!
今回は、アイデンティティの意味や使い方などについてお伝えしていきました。
日本語では【個性】と訳されがちですが、実際には少し意味合いが違います。
あなたはどんな人間ですか?
この質問の答えこそがアイデンティティであり、しっかり答えられるあなたは既にアイデンティティが確立されていると言うことです。
周りの評価に左右されず、あなた自身が評価する自分像を確立し、それに沿った行動を行う。
文字にすることは簡単ですが、これが出来ない人が現代人に増えているのが実情です。
周りの目は、確かに気になりますよね。
相手によく見られたいと考えるのは当然ですし、そのために【相手がイメージしている私】を演じている部分もあるかと思います。
ですが、それにのみ固執してしまうと、最も肝心な【あなた自身がどんな人物か】と言う点が、あなたの中でドンドン希薄になってしまいます。
周りの声が何であれ、あなたが思うあなたこそが、アイデンティティなのです。
どうか周囲に振り回されず、しっかりと自分を認識し、大切にして下さいね(^^)