鑑みるの意味や読み方、知っていますか? 実はこれ、読みも意味もほとんどの方に知られていない、かなり難しい言葉です。 そもそも【鑑】という字を見る機会もあまりありませんよね(ーー;) 強いて言うなら、 鑑定 […]
鑑みるの意味や読み方、知っていますか?
実はこれ、読みも意味もほとんどの方に知られていない、かなり難しい言葉です。
そもそも【鑑】という字を見る機会もあまりありませんよね(ーー;)
強いて言うなら、
鑑定
位のものではないでしょうか。
ですが、その言葉を用いて作られた鑑みるは、知られていない割に使われることがそこそこ多いという、ちょっと困った言葉です(笑)
そこで今回は、鑑みるの意味や読み方・使い方について詳しく見ていきたいと思います(^^)
Contents
鑑みるの意味と読み方は?
それでは紹介していきます。
今回は、鑑みるの意味や使い方についての記事です。
早速ですが、まずは読み方から。
鑑みる(かんがみる)
と読みます!
「なるほど、いざ読んでみると聞いたことがあるぞ」
という方も多いはず。
では、読み方がわかったところで、次は肝心な言葉の意味を見ていきます。
実際に、鑑みるの意味を辞書にて調べてみましたので、ご覧ください(^^)
先例や手本に照らして考える
他の例と比べあわせて考える
(日本国語大辞典・明鏡国語辞典参照)
となっていました。
なるほど、なんらかのものと比較して考える際に使われる言葉というわけですね。
うーん・・・とは言え正直これだけでは、まだまだ理解が難しいですね(^_^;)
そこで、更に理解を深めるべく、次は語源についても見ていきます。
鑑みるの語源について
そもそも【鑑】という漢字の意味について深く考えたことがありますか?
実はこの文字、【鏡(かがみ)】と非常に近い意味を有しているんです。
あの人は、医師のかがみだ
介護士のかがみのような女性だよ
のように、立派な第一人者を指し示す際などにも用いられている言葉です。
この時使われる漢字は、姿かたちを写す鏡ではなく、模範・手本という意味を込めた【鑑】が用いられています。
そこから転じて、鑑には
照らし出す
参考にする
比較して考える
手本とする
といった意味が生まれるようになったのです。
うーん、少しずつではありますが、分かってきたような・・・わからないような(笑)
ですがこの言葉、実はビジネス用語としてかなり多用されているのです。
そのため、知っておいて損はないどころか、使いこなすだけで
「こいつはしっかり勉強しているぞ」
と周りから一目置かれる存在になることも出来てしまいます。
ビジネスマンなら必ず一度は見て、そして
「何この言葉!?」
と困惑したはず・・・
私も一緒でしたから(笑)
より深く【鑑みる】の意味について理解していくために、ここからはその使い方を見ていきます!
あなたが一流のビジネスマンに成るためにも、大人としての常識をより深く学ぶためにも、この意味は必見です( ̄ー ̄)
使い方を例文でチェック!
使い方を知るのは、実際に鑑みるを使っている例文を見るのが一番です。
というわけで、鑑みるを用いた例文をいくつか作ったので、解説しつつ紹介していきます!
ライバル社の失敗に鑑みて、我が社は新たな方向性を打ち出さなくてはいけない
まずは、先ほど紹介したように、ビジネス文書における鑑みるの使い方からです(^^)
ライバル社の動向を見て、会社の経営方針を決めるのはビジネスの世界では常識です。
まして、既に失敗という大きな先例を出してくれているのですから、それを利用しない手はありません。
このような使われ方が多いためか
鑑みる=駄目だったことを考えて
のように捉えて使っている人もいますが、実際にはいい例・悪い例関係なく用いることが出来ます。
ただまあ、ビジネスにおいては
「あっちが成功したから、我が社も真似よう!」
みたいなことは表向きあまり言われないので、そういった使われ方は少ないと言えますね(^_^;)
先例に鑑みると、後輩を出社拒否にまで追い込んでしまった彼のリストラは仕方ないか…
こちらも、ビジネスシーンでの一幕から。
ちょっと重いですね(^_^;)
おそらく、この【彼】は後輩をいじめるなどして出社拒否にしてしまったのでしょう。
そして以前も同じようなことをして、結果リストラされた人がいた。
このことから
先例=後輩をいじめて退職となった
【彼】=同じく後輩をいじめたから、退社
と比較しているのです。
やはり、あまりいい意味では使われていませんね、鑑みる・・・
いやほんと、この言葉自体には善悪は一切なく、ただ前例と比較する際に用いる言葉なのです。
ただ、どうも意味合い的にあまり良い意味では使いにくいですね(汗)
昨今の我が社の成長ぶりを鑑みると、来季のこの達成目標は決して実現不可能ではない!
なんとか良い意味での使い方をした文例を作り出しました(笑)
これは、
これまでの会社の成長速度と実績
現在の会社の成長予想と達成目標
とを比較しています。
その上で、
今の我が社なら達成できる!!
と考えた結果が、上の例文の発言となります。
このように、良い方向性に持っていくことも出来る言葉が鑑みるなのですが、ビジネスシーンでの使われ方はマイナス方向での活用が基本。
・・・なんとなく、この使われ方に日本の不景気が見えてしまいます(・・;)
鑑みるの類語は何がある?
ところで、鑑みるの類語にはどのようなものがあるのでしょうか?
ここまでの意味や使い方でまとめたように、鑑みるとは
ただ比較するだけではなく、前例をお手本として考えを巡らせ、それと照らし合わせて現在~今後の方針について考える
という思考そのものを指します。
まあ要するに、
先例を参考にして、現状をより良くするにはどうしようか頭を悩ます
ということですね(^^)
これを意識すれば、案外類語の方もポンポンと浮かんできました♪
- 顧みる
- 参考にする
- 念頭に置く
- 考えを巡らせる
- 回顧
- 振り返る
- 考慮する
これらが類語です。
全体的に言えるのは、以前のことを振り返り考えるという動作・考え方を示す言葉だということです。
念頭に置く、等はまさに前例を念頭に置く=意識して、今後のことを考えるという意味になりますので、ピッタリの言葉と言えますね(^^)
で、ここで注目したいのは
考慮する
です。
これ・・・全く一緒の意味に思えてきますよね(・・;)
一体どこが違うのでしょうか。
折角なので、一緒に調べてみました!
鑑みると考慮するの違いは何!?
さて、鑑みると考慮するとの違いですが、まずは考慮するの意味を辞書で調べる所から入っていきます。
物事の種々の要素をよく考え合わせること
考えを巡らせること
よく考え合わせること
(日本国語大辞典・広辞苑参照)
意味そのものを見ているとやや混乱しますが、つまり
考慮する=【考える】
です。
一方、鑑みるはと言いますと、ここまで書いてきたように、
鑑みる=先例と比較して考える
という意味です。
つまり、考慮すると鑑みるとの違いは、比較対象の有無です!!
この違いを例文で紹介しますと
A社の失敗を考慮して、我が社の経営方針を練り直す必要がある
➡ A社の失敗に焦点を当てて考えている。
ここでは、【我が社】についての考えや、A社と比較して我が社の状態はどうなのかと言ったことは一切触れられていない。
A社の失敗を鑑みて、我が社の経営方針を練り直す必要がある
➡ A社の失敗と比較して、我が社はどうか?と考えている。
こちらは、【A社の失敗】と【我が社の現状】とを比較して、今後どのようにしていくべきかを比較検討している事がわかる。
となります。
ほぼ同じ文章ではありますが、
- A社の失敗
- A社の失敗と我が社の比較
という2つの文章の目の付け所の違いこそが、そのまま鑑みると考慮するとの違いとなって現れているのです。
細かい違いではありますが、比較対象の有無は結構大事なポイントです。
特にビジネス文書などではどちらの言葉書かれているかによって、文章全体の意味合いが変わってくることも少なくありません。
しっかりと意味の違いを把握しておきましょう!
先例を鑑みることでより良い答えを探し出せ!
今回は、鑑みるの意味や読み方・使い方について紹介していきました。
改めて会社の若い後輩などに聞いてみましたが、本当に鑑みるの読み方から知らない子が多かったです(笑)
鑑みるは、比較対象があって初めて使うことの出来る言葉です。
この辺が考慮するとの最も大きな違いと言えます。
最近ではこの言葉、少し間違った使われ方が増えてきています。
来週以降売上が上がることを鑑みると・・・
のように、何故か鑑みる=考慮するとして使われていることが多々あります。
ですが実際にはほんの少しではありますが、決定的な違いを持つ2語です。
ここを抑えておくだけでも周りからの評価も大きく異なってくるので、ぜひぜひしっかり学んで下さいね(^^)
どんなことでもそうですが、先例があるというのは大変恵まれている状況です。
何故なら、既にあなたより前に実践し、何らかの結果を出してくれている人がすでにいるからです!
- 何故そこに思い至ったのか
- 結果までの過程
- 思考プロセス
- 結果
等、先例から学べることは数に限りがありません。
あなたもぜひ、なにかトラブルや大きな壁にぶつかった時は、多くの先人が残した先例を鑑みて下さい。
そして、これからやろうとしていることと比較して、思考を巡らせ、より良い答えを探し出していってくださいね(^^)