監事と監査の違い!意味や使い分け方を例文で紹介

あなたは「監事」や「監査」という言葉を聞いたことがありますか? 経済のニュースをよく見ている人なら、「監査」は聞いたことがあるかもしれません。   ちょっと難しいこの2つの言葉の意味や違い、それぞれの関係を正し […]

あなたは「監事」や「監査」という言葉を聞いたことがありますか?

経済のニュースをよく見ている人なら、「監査」は聞いたことがあるかもしれません。

 

ちょっと難しいこの2つの言葉の意味や違い、それぞれの関係を正しく理解していますか?

今回は、「監事」と「監査」の意味や、その違いについて詳しく解説いたします!

記事は下に続きます。

監事の意味

「監事」は『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律』の第六十一条(監事の設置義務)で次のように規定されている役職です。

 

「理事会設置一般社団法人及び会計監査人設置一般社団法人は、監事を置かなければならない。」

『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律』の第六十一条(監事の設置義務)

 

「監事」の権限については、同じ法律の第九十九条(監事の権限)に、次のように定められています。

 

「監事は、理事の職務の執行を監査する。この場合において、監事は、法務省令で定めるところにより、監査報告を作成しなければならない。」

『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律』の第九十九条(監事の権限)

 

「理事」は、一般社団法人の業務を執行する存在で、通常は理事会を設置して議決されます。

株式会社で言えば、取締役にあたります。

 

取締役会を置く株式会社は、監査役を置かなければなりません。

一般社団法人の理事が株式会社における取締役であるように、監事は監査役にあたります。

 

一般社団法人や株式会社などを含む法人の取締役、執行役、会計参与、監査役、理事、監事及び清算人は、一般的に「役員」とも呼ばれます。

使い方を例文で解説

「監事」の使い方を例文で解説いたします!

 

  • 「4月1日付けで監事に任命されました」
  • 「監事の権限で、理事に対して報告を求めた」
  • 「監事と言っても、あの人はお飾りだから」

 

監事がいるのは、あくまで一般社団法人及び一般財団法人の話ですから注意してくださいね!

監査の意味

理事の職務の執行を「監査」するのが「監事」です。

ではその「監査」とは、どういう意味か、どういう行為なのでしょうか?

 

「監査」の意味を簡単に言うと「監督し検査すること」です。

監督の「監」と検査の「査」で「監査」なんですね!

 

もっと分かりやすく掘り下げていきますと…

 

「ある事象・対象に関し、遵守すべき法令や社内規程などの規準に照らし合わせて、業務や成果物がそれらに則っているかどうかの証拠を収集し、その証拠に基づいて、監査対象の有効性を利害関係者に合理的に保証すること。」

Wikipedia参照

 

法令や規程を守って正しく業務を執行しているのか、監督し検査をするのが「監査」です。

コンプライアンス(法令遵守)という言葉をよく耳にするようになりましたが、コンプライアンスが出来ているのかをチェックするのが監査なのです。

 

監事や監査役が法人に対して行うだけでなく、地方公共団体には監査委員が置かれて監査を行います。

法人に対する監査は、会計監査(財務諸表監査)と業務監査の2つに区分されます。

 

会計監査は公認会計士や公認会計士いる監査法人によって行われるため、公認会計士監査とも呼ばれます。

また、監査は組織の内部の人間で行う「内部監査」と、組織から独立した外部の専門家によって行う「外部監査」に分けられます。

 

代表的な外部監査の一つは、外部の公認会計士・監査法人によって行われる会計監査です。

一方、代表的な「内部監査」は、監事・監査役が行う監査です。

 

企業・団体が行うその他の検査としては、情報セキュリティ監査や個人情報保護監査があります。

 

企業や団体などが、個人情報保護の体制や運用の状況が適切であることを示す“プライバシーマーク”を取得する場合、個人情報保護マネジメントシステムに対して監査を行う監査員の責任者として個人情報保護監査責任者の設置が必要です。

 

最近はコーポレート・ガバナンス(企業統治)という言葉をよく耳にするようになりましたが、コーポレート・ガバナンスにとって非常に重要なのが監査であり、近年重要度が増しています。

使い方を例文で解説

「監査」の使い方を例文で解説いたします!

 

  • 「今年の監査の日程について教えてくれませんか?」
  • 「上場会社は、決算書を監査法人にチェックしてもらわなければならない」
  • 「近年、コンプライアンスの内部監査の重要度が増してきている」

 

監査には様々種類の監査があります。急に監査されることになったら対応が大変ですよね!

監事と監査の違い

「監事」と「監査」の違いは、ここまで書いたようにはっきりしています。

一般社団法人及び一般財団法人で「監査」をする役割を担っているのが「監事」です。

 

ただし、「監査」をする人の名称はその監査対象や監査の種類によって変わります。

株式会社では監査役であったり、地方公共団体で監査委員であったり、会計監査を行うのは公認会計士であるので、監査を行う人が全て「監事」であるわけではありません。

 

「監査」は一般的な言葉であり、広く法人・団体で行われていることです。

一方、「監事」は『一般社団法人及び一般財団法人に関する法律』で定義された範囲でつかわれる点に注意してください。

まとめ

「監事」と「監査」の意味、違い、その関係について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか?

「監査」をする役割には、色々な名称の人がいますが、そのうちの一つが「監事」です。

 

くれぐれもその点に注意して、どの名称・肩書を使うのが正しいのか、間違えないようにしてくださいね!