おいでやすとおこしやす、その違いは一体どこにあるのかを見ていきます。 京都に住んでいる方でも、細菌は知らない人が増えてきた京言葉。 その中でも特にわかりにくいとされているのが、 おいでやす お […]
おいでやすとおこしやす、その違いは一体どこにあるのかを見ていきます。
京都に住んでいる方でも、細菌は知らない人が増えてきた京言葉。
その中でも特にわかりにくいとされているのが、
- おいでやす
- おこしやす
の違いです。
さて、この2つの言葉・・・一体どこに違いがあるのでしょうか?
詳しく見ていきます。
おいでやすの意味と使い方
まずは、おいでやすの意味や使い方についてです。
こちらの意味は、通りがかりの方や一見さんのお客さんに対して使う言葉ですね。
時折、ネット情報などでは
- おこしやすはおいでやすより丁寧な言葉
- おいでやすはそこまで歓迎していない口だけの言葉
などと説明されていますが、決してそんなひどい意味ではありません(;・∀・)
特に、2.はひどいですよね(笑)
使い方としては、主に飲食店などで聞くことが出来ますね。
ふらっと立ち寄ったお店で、店員さんがあなたに掛ける言葉こそ、
「おいでやす」
なのです。
おこしやすの意味と使い方
続いては、おこしやすの意味と使い方について。
意味は、予め予約していた客・遠方から足を運んできたお客などに対するもてなしの言葉です。
おこしやすは漢字で書くと「お越しやす」
言葉自体に、「わざわざ遠方から来てくださり・・・」という、遠路はるばるお店に顔を出してくれた方たちへのありがとうの気持ちがこもっているのです(^^)
つまり、
- 「心待ちにしておりました」
- 「遠路はるばる来ていただき、ありがとうございます」
といった、「おいでやす」より歓迎の意を込めた言葉となっています。
例文で使い方を解説
ここで、例文にて使い方を解説していきます。
おいでやすの例文一見さん(観光客など)がお店にふらっと立ち寄ったときに
「おいでやす~」と声を掛ける。
標準語で言うところの「いらっしゃいませ!」のような、来店の挨拶にあたる。
おこしやすの例文予約客、遠くからお店に足を運んでくれた方などに対しかける言葉。
「遠いところを、ようこそおこしやす」
等、相手に対する丁寧な歓迎の意を表している。
とこのように使い分けを行っています。
ちなみに、京都の旅館などに泊まると分かるのですが、ある程度社員教育がされている旅館の場合、ほぼ100%
お越しやす
と声をかけてもらえます。
これは、旅館=宿泊客が来る場所であり、遠方から来るお客さんが殆どだからです。
それが分かっているからこそ、「おいでやす」ではなく、遠方から来た方に使う「おこしやす」を用いた挨拶を徹底しているというわけです。
何故、おいでやすとおこしやすの使い分けるの?
ここで、一つ疑問が出た方も多いはず。
「そもそも、なんでおいでやすとおこしやすを使い分けるの?」
というものです。
確かに、お越しやすだけなら丁寧な言葉ですし、分かりやすいような気もします。
しかし、京都の方はしっかりと使い分けを行います。
実は、意外に役立っているから、というのも理由の一つです。
例えば、料理屋。
店員さんの
- おいでやす
- おこしやす
の挨拶で、厨房では
- 「あ、一見さんが来られたな」
- 「今日の予約していた方が来られたな」
などが分かるのです。
予約客が来たことがわかれば、スムーズに料理の準備も取り掛かれます。
折角予約してまで足を運んでくれた方に対し、
「少しでも、より良い時間を過ごしてもらいたい」
「食事を楽しく食べてほしい」
という思いがあるからこそ、こうした言葉の細かな使い分けにて、お客さんへのサービスの質を向上させているのです。
ただ、冒頭でも書いたように、最近では京言葉を使う方も、若い人を中心に少なくなってきています。
それに伴い、この使い分けを聞く機会も少なくなってきているのです。
なんだか、日本の、京都の心遣いの文化そのものが減っていっているようで、少し悲しくなりますね。
おいでやすとおこしやすの違いまとめ
今回は、おいでやすとおこしやすの意味の違いや使い分けについて見ていきました。
- 一見客はおいでやす
- 予約客・遠方客にはおこしやす
といった使い分けがされているのを理解してもらえたかなと思います。
本当に面白いですよね。
たった2語違うだけですが、意味合いも変わってきますし、使う相手がそもそも違ってきます。
この細かな言葉の使い分けを用いることで、食事を出すお店ではサービスを向上させ、旅館などでは精一杯の歓迎の意を示していたのです。
それも、何百年も、昔から・・・
改めて、日本人、いえあえて京都の人と言わせて下さい。
京都にて生活している方々の心遣いが、身にしみます。
どうかこのおいでやす・おこしやすの使い分けが、心遣いの粋とも言えるこの文化が、ずっと残っていきますように・・・