あなたは、「おこなう」を漢字で書くときどのようにかきますか? 行う ですか?それとも 行なう ですか? この漢字の送り仮名については多くの方がどちらが […]
あなたは、「おこなう」を漢字で書くときどのようにかきますか?
行う
ですか?それとも
行なう
ですか?
この漢字の送り仮名については多くの方がどちらが正解かはっきりとわかっていないのが現実のようで、文章を見ていても行うと行なうの両方が書かれていることが多々あります。
しかも、よく見てみると行うと行なう、それぞれ使う方の年齢層がはっきり分かれているのを発見したのです。
一度気になって来たら、どっちが正解なのかやっぱり知っておきたいですよね。
そこで今回は、行うと行なう、正しい送り仮名とその使い分けについてみていきたいと思います。
行うと行なうの違いと正しい言葉を解説
さて、行うと行なう、どちらもよく使われている2つの言葉なわけですが、一体どこに違いがあって、どちらが正しいのでしょうか?
今回はまず最初に結論を言わせてもらおうと思います。
本当に正しいのは・・・
行うと行なう
です!!
つまり、両方ともに正解です(^^)
実は、1959年~1972年までの間は「行なう」が正しい送り仮名であるとされており、学校などでもそのように習っていました。
そのため、50歳以上の方については「行なう」の方を用いる方が多いようです。
私が働く施設でも、ベテランの方ほど「行なう」と書いているのですが、その謎がこれによってようやく解けました。
ちなみに、年配の方もやはり行なうを書く方がほとんどです。
1973年、内閣法制局という名前だけ見てもかなり権威ある施設による法令が発令され、「行う」が正しい送り仮名であると明記されました。
これにより、これまでの行なうが正しいという見解は崩れ「行う」が基準となり、学校などで子供たちも習うようになりました。
ちなみに、1973年国語審議会とという日本の国語政策課題に取り組む会の方針においても「行なう」から「行う」への方向転換が行われています。
こんばんはとこんばんわの違いについての記事でもそうでしたが、正しい言葉が突然変わるというのはその時代に生きている方にとっては本当に大変な事ですよね(^^;)
とはいえ、この言葉についてはあくまで
「行う」が一般的な基準である
とされただけであり、決して行なうが間違えであると言われた訳ではないのがポイントです。
そのため、行なうをこれまで書いていた人も間違えを書いていた訳ではないので、そのことについてはあまり気にせず今後も使い続けてもらっても大丈夫だと思います。
ただ、市役所などのいわゆるお役所仕事や新聞などでは公式な送り仮名である「行う」が用いられているようです。
2つの「おこなう」の使い分け
それではここからは、行うと行なうの使い分けについて説明していきます。
行うが正しいならそれだけ書けばいいのでは?
と思うかもしれませんが、もしそれだけが事実ならここまで行うと行なうの送り仮名について日本人は悩んでいないはずです。
ちゃんと、「行なう」の方もこれまでずっと用いられてきた理由があるのです。
使い分けが必要なとき。
それは、行うを使うと「行った(いった)」を紛らわしくなってしまう時です。
例えば、
昨日テニス行った
の場合、
テニスいった
とも
テニスおこなった
とも受け取れるわけです。
これでは紛らわしい!
ということでこういった場合も考慮して行うと行なう、どちらも正解となっているようです。
また、
- 行うは動作にかかわることを示す言葉(例:レポートの仕上げを行う)であり、
- 行なうはやや形式ばった際に用いる言葉(例・合格発表の啓示を行なう)である
と捉える動きもあるようです。
とまあこのように、どちらがより正解に近いかと言えば「行う」ですが、場合によって相手に最も伝わりやすいように使い分けを行っていけば、それがその場での正解になるのです。
まとめ
今回は行うと行なうの違いと正しい言葉、そして使い分けについて説明させてもらいました。
結論をまとめると
- 1973年より「行う」が一般的な送り仮名になった
- 「行う」も決して間違いではない、ただ市役所などでは行うが使われている
- 使い分けはそのとき相手に最も伝わりやすいほうを使えば正解
といった所でしょうか?
特に仕事で書く記録などでは、この「行う」という表現はよく使うので、これまでどちらが正解かわからないままなんとなく使っていた方も多いと思います。
・・・私のように(^^;)
そんなあなたは、ぜひこの記事を見て
私、間違ってなかったんだ
と安心してもらえたらなと思います。