複数と多数の違い!意味やどれくらいを指すのか解説

あなたは「複数」と「多数」の違い、それぞれいくつを指す言葉か知っているでしょうか。   同じ沢山の数を指す言葉である「複数」と「多数」。 その意味の違いや使い分けについて解説いたします! 記事は下に続きます。 […]

あなたは「複数」と「多数」の違い、それぞれいくつを指す言葉か知っているでしょうか。

 

同じ沢山の数を指す言葉である「複数」と「多数」。

その意味の違いや使い分けについて解説いたします!

記事は下に続きます。

複数の意味

「複数」は、1より多い数に対する数および個数の名称です。

1より多い数ですから、1は含みません。つまり、2以上の数および個数を指して使う言葉です。

 

「複」という漢字・言葉の意味は「かさねる。かさなる。二つ以上ある」であり、「複数」はまさに「二つ以上の数・個数」なのです。

複数ってどれくらいを指すの?

1つは「単数」といい、2つは「複数」なのは誰でもわかることだと思います。

では、3つ以上でも「複数」と言ってもいいのでしょうか?

 

はい、「複数」の定義は「2つ以上」であり、いくつであっても「複数」の範囲に入っていて、問題ありません。

1つであれば「単数」、2つ以上は全て「複数」でいいのです。

使い方を例文解説

「複数」の使い方を例文で解説いたします!

 

・「この設問には複数回答が可能です」
・「高速道路で複数の車両が追突する事故が発生した」
・「このゲームは複数人のプレーヤーが同時に遊べます」

 

「複数人」「複数回答」など熟語の形で使われることが多いですね!

多数の意味

「多数」は人や物の数が多いことを指します。言い換えるなら「たくさんの数」になります。

人の数では、「大人数(おおにんずう)」が使われることもあります。

 

「多数」の反対語は「少数」ですが、大きな集団を多数と少数に分ける場合の数では、少数でも大人数になる場合があります。

例えば、500人で多数決を取って300人と200人に分かれた場合、300人は「多数派」、200人は「少数派」となるわけです。

 

「少数民族」ではその人数が数万人いても、全体のうちの少ない側という意味ですから「少数」であり、多い側が「多数」になります。

このように、絶対値としての「多数」と、比較で使われる場合の「多数・少数」は、同じ数でもケースによって言い方が変わります。

多数ってどれくらいを指すの?

多数と複数の意味の違い

「多数」はたくさん・一杯の意味ですが、ではいくつ以上なら「多数」と言っていいのでしょうか?

 

実は、明確な正解は存在していません。

少なくとも2つを「多数」と呼ぶことがないことは明らかですが。

 

どこからが「多数」なのかは、ケース・バイ・ケースになります。

「多数」は法律にも出てくる言葉で、それが何人から対象になるのかは議論になることがあります。

 

例えば、出資法の一条にはこのように書かれています。

 

「何人も、不特定且つ多数の者に対し、後日出資の払いもどしとして出資金の全額若しくはこれをこえる金額に相当する金銭を支払うべき旨を明示し、又は暗黙のうちに示して、出資金の受入をしてはならない。」

引用:出資法

 

ここで言う「不特定且つ多数の者」の人数について、ある弁護士は「個人的なつながりのないある程度以上複数の者」と解説していますが、具体的な人数については明言されません。

なぜなら、ケース・バイ・ケースでしかないからで、判決時に合法と違法のラインが明示されることはないためです。

 

著作権法での「公衆」は、「不特定の人」または「特定多数の人」を意味しますが、この「特定多数」は何人からが該当するのかも議論になることがあります。

文化庁のサイトでは、「特定多数」の人数について以下のように解説されています。

 

「何人以上が『多数』かはケースによって異なると思われますが、一般には『50人を超えれば多数』と言われています。」

引用:著作権法

だからといって49人ならば多数ではない(少数)というわけでもないので注意が必要です。

 

文化庁が出している『著作権テキスト』では「一概に何人とはいえません」と書かれていて、やはり「多数」と言える明確な人数は決まっていません。

出資法と著作権法で「多数」の意味は違いますし、著作権の中でも著作物の種類や利用形態によって変わるということです。

 

ケースによって変わる、とても曖昧な言葉だと理解しておくのがいいでしょう。

使い方を例文解説

「多数」の使い方を例文で解説いたします!

 

・「高速道路で起きたバス事故では、多数の負傷者が発生している」
・「今回の地震により木造住宅が多数倒壊しました」
・「列車の故障により、多数の人が車両の中で長時間を過ごすはめになった」

 

その数が多く、はっきりとしない場合に使われることが多いです!

複数と多数の違いや使い分け

  • 「複数」は2つ以上
  • 「多数」は「複数」のうち数が多い場合

 

をそれぞれ指します。

つまり数が多い場合は「複数」でも「多数」でも、どちらを使っても言葉の意味としては間違いではありません。

 

はっきりと数がわからない状況では、少なくとも2つ以上なら「複数」を使い、それがとても数が多いとわかっている場合は「多数」を使った方が、よりわかりやすく伝わります。

まとめ

「複数」と「多数」、それぞれの意味とその違いについて解説していきました。

 

微妙な違いですが、とりあえず複数を使っておくほうが無難といったところですね。

是非自分なりの使い分けをしてみてくださいね!