付くと着く・・・同じ読みを持つ2つの漢字の違いを、詳しく掘り下げます! 何気ない日常会話の中で最もよく口にする言葉のひとつでもある〈つく〉。 時と場合、意図に合わせた〈付く〉と〈着く〉の使い分け、その線引き […]
付くと着く・・・同じ読みを持つ2つの漢字の違いを、詳しく掘り下げます!
何気ない日常会話の中で最もよく口にする言葉のひとつでもある〈つく〉。
時と場合、意図に合わせた〈付く〉と〈着く〉の使い分け、その線引きについて掘り下げていきます。
Contents
付くと着くの意味の違いを解説
まずは、付くと着くの意味の違いから掘り下げます。
それぞれの言葉の意味は・・・
くっつく、別々ものが一緒になる、その跡が残る、あとから加わる・付随するなどの意味があります。
総じて「別のところから来たものが他の物の表面に触れ、そこから離れない状態になる」という意味が核となります。
〈着く〉という言葉には、着るという言葉からもわかるように身に纏うという意味はもちろん、密着する、くっつく、めざしていた場所に到達する、至る、到着する、場所を占める、などの意味があります。
付く〉よりも限定的な意味合いを持ちます。
と、なっています。
〈付く〉と〈着く〉には密着する・くっつくという、接近して間隔がなくなる状態を表す共通の意味があるので、これが使い分けを混同してしまう要因となっているようですね。
〈付く〉は〈着く〉と比べ、大きな主体となるものに別のものが付け加えられるイメージ、つまり、「AにBが付く」=「BがAの一部分になる」「Aという大きなくくりのなかにBが加わる」という意味合いが強くあります。
さらに、意識的・内発的な働きを伴うものに対して使われることが多くあります。
一方〈着く〉は「AにBが着く」であれば主体はBとなり、「BがAに到達する」というように、Bの状態に着目した意味合いを持ち、状況を客観視した表現として使われることが多くあります。
付くの使い方を例文で解説
続いては、付くの使い方を、例文を用いて詳しく解説していきます。
→ 衣服という主体に香りという要素が加わるイメージであるので〈付く〉を使用します。
→ こちらも同様、林という主体に道という要素が加わるイメージなので〈付く〉となります。こちらは跡が残る、あとから加わる、付随するという意味合いが〈付く〉と一致します。
このように、他の要素が加わる意味を持っている文章には、付くを使いましょう!
とくに、香水の匂いが・・・などは、日常生活でもよく使う表現なので、ぜひ覚えて使い分けしてもらえればなと思います。
着くの使い方を例文で紹介!
続いては、着くの使い方を例文を用いて詳しく紹介します。
シチュエーションを考えれば、自然と正しい表現がどちらか分かってきますよ!
→ 主体は主語である健太であり、家まで接近し、やがて到達したという状態を客観的に表しているので〈着く〉を使用します。
→ 主体は手紙となり、目的の場所に到達した状態を表すのでこちらも同様〈着く〉を使用します。
主体がどこにあるかに焦点を当てると、着くが正しいと言うのが明確になりますね。
これどっち?気になる「付く」と「着く」の使い分け表現
さて、ここからは日常にどちらが正解か分からない「つく」について、付く・着く、どちらの表現が正しいかの使い分けを見ていきます!
「位置につく」は〈着く〉
ある一定の位置に到達してその場所を占めるので、〈着く〉を使用します。
「席に着く」も同様に、主語の表記はなくとも主体となっているのはその行動をとっている人物であり、その人物の状態を客観的に表現している文なので〈着く〉が適切です。
「身につく」は〈付く〉
知識や技術などが自分自身のものとなる、という意味の「身につく」は、「B(知識や技術)がA(人物)の一部分になる」という意味合いがあるので〈付く〉を使用します。
また、身にまとうという意味の「身につける」については〈着く〉を使用し、このように衣服や装飾品など体にまとわせる意味をあらわすときはすべて同様に〈着く〉を使用します。
「自信がつく」は〈付く〉
自信というものが主体となる人物のなかに内在するという意味、つまり「B(自信)がA(人物)の一部分になる」ので〈付く〉を使用します。
また、心情についての表現になるので意識的・内発的な働きによるもの、という点でも〈付く〉が適切です。
まとめ
今回は、同じ「つく」と読む〈付く〉と〈着く〉の意味の違いや使い分けについて紹介していきました。
「このシチュエーションには、どっちの漢字が合うかな?」
とイメージすれば、間違う可能性はぐっと低くなるので、ぜひ!
日常会話で〈つく〉が出てきたときには、今回紹介した解説を手がかりに、意図した文章表現に近づくよう使い分けてみて下さいね。