【おざなり】と【なおざり】、違いはいったいどこにあるのでしょうか。 二つの似た言葉である 【おざなり】 【なおざり】 をご存じでしょうか。 見た目からしているこの二つの言葉、実は意味まで似てい […]
【おざなり】と【なおざり】、違いはいったいどこにあるのでしょうか。
二つの似た言葉である
- 【おざなり】
- 【なおざり】
をご存じでしょうか。
見た目からしているこの二つの言葉、実は意味まで似ているんです!
今回は、このわかりにくい2語について、違いや使い方を解説していきます。
【おざなり】と【なおざり】の違い
今回は、【おざなり】と【なおざり】の違いについてです。
この二つ・・・似てますよね~(^_^;)
というか、
ほとんど一緒の言葉
に見えてしまいます。
ですが、当然ながら全く一緒の言葉ではないのも、文字を見てすぐに分かることです。
そんな二つの言葉の違いやそれぞれの使い方について解説していきます。
おざなりの意味と漢字
まずは【おざなり】の意味からです。
私の印象では、こちらの方が多く使われているように思います。
まずは意味についてですが、辞書などによると
- その場限りの間に合わせをする
- いい加減に物事を済ませること
と書かれてありました。
私たちが日常で使っている意味と変わりないですね(^^)
ちなみに、このおざなりには漢字も存在しています。
そのつづりは
御座形
です。
・・・なんだか急にお堅い文字になりましたね(笑)
語源としては、
【お座席の席で形ばかりを取り繕っていたこと】
が始まりとされています。
漢字からもその意味が見て取れますね(^^)
なおざりの意味と漢字
続いては、【なおざり】の意味についてです。
辞書などでその意味を調べてみたところ、このような意味が浮かび上がってきました。
- あまり注意を向けず、いい加減にしておくさま
- 物事をおろそかにしておくさま
- ほどほどで、あっさりしているさま
・・・あれ?
ほとんどおざなりと一緒ですね(^_^;)
ちなみに漢字では
等閑
と書きます。
なんと、歴史をさかのぼっていくと平安時代の書物にまで載っていた、とっても古い言葉なんです!
どうやら、どちらも大きなくくりでは
【いい加減・適当】
という意味合いの言葉になるようです。
では、全く同じなのかというと・・・実は、そうではないのです!
次はこの二つの言葉の、小さいけれど、でも大事な意味の違いについて見ていきます。
二つの違い
【おざなり】と【なおざり】・・・二つの言葉の違いはいったいどこにあるのでしょうか?
その違いは
【する】
か
【しないか】
にありました!
もう一度、二つの意味を簡単に書きますと
- おざなり=いい加減に物事を済ませる
- なおざり=いい加減にしておく様
このようになります。
おざなりの方は、いい加減ではありますが、一応ある出来事に対して何らかのアクションを行っているのです。
一方、なおざりの方はどうでしょうか?
こちらは、いい加減にしておく様となっています。
つまり、何かをしたわけではないのです!
いい加減な状態のまま放置しておくことが、なおざりという言葉の真の意味だったのです。
二つの言葉とも、いい加減であることは変わりません(笑)
しかし、行動をするかしないかという一点で、おざなりとなおざりには大きな違いがあったのです!
使い方と例文
おざなりの使い方
それでは、例文を交えつつ使い方の解説を行っていきます。
まずは、おざなりの方から。
- 「あいつはいつも練習をおざなりにしている」
- 「彼女、仕事をいつもおざなりにするのよね~」
- 「育児をおざなりにして、遊びに行く旦那なのよ…」
これらが、おざなりの例文となります。
ここで紹介した例文を見て分かるとおり、ここで使用しているおざなりは、全て何かの動作にかかってきています。
- 練習
- 仕事
- 育児
といった動作をおざなり=適当にしている事を指す文章なのです。
おざなりは何かをした行動の結果に対してかかる言葉ですので、相手がいい加減・適当な行動をしたときに用いるのが正しい使い方となります。
なおざりの使い方
なおざりの使い方についても見ていきます。
まずが、例文から。
- 「練習をなおざりにして遊びに行って良いの?」
- 「仕事をなおざりにして飲み会に行く」
- 「育児をなおざりにするなんて信じられない!!」
これらが、なおざりを用いた文章となります。
おざなりと比較するために、あえて同じような内容の言葉で例文を作っています。
さて、一見すると目立った違いが見られないこの2つ、実は大きな違いが・・・
【なおざり】の方は、そもそも行動を起こしてすらいないのです!
つまり上の例文で言うと、
- 練習をなおざり=練習をせず遊びに
- 仕事をなおざり=仕事をさぼって飲み会へ
- 育児をなおざり=育児に協力していない
となるのです。
これが、なおざりとの最大の違いですね。
なおざりは、適当やいい加減ではあるけれど、一応行動を行っています。
しかし、なおざりはそもそも全く行動を起こしていないのです(^_^;)
何かしなければならない動作・作業といったものを放置している。
こうした態度や人を指すときに、【なおざり】という言葉を用いるのです。
・・・なおざり、かなりいい加減な人を刺す言葉のようですね(笑)
覚え方
さて、二つの言葉の意味や違いの覚え方についても少し語っていきます。
- おざなり
- なおざり
・・・うーん、言葉が似ていて、どっちがどっちか覚えてにくいですよね(^_^;)
そんなあなたに、私が用いている覚え方を紹介します。
私もずっと、この二つの言葉の意味が混同していたのですが、この覚え方を編み出してからはすぐに理解できるようになりました♪
【それなりにしている】のがおざなり、
なおざりは、そもそもすべきことの全てが【おきざり】である。
このように私は覚えています。
そもそも、なおざりの【ざり】は分解すると【せざり(~しない)】を指す言葉です。
ここからなおざり=しないと覚えるのも良いかもしれませんね(^^)
いずれにせよ言えるのは、似通っている二つの言葉をそのまま暗記するのは正直難しいです。
言葉の中に覚えるためのヒントや特徴を見つけて、そこから記憶につなげてもらえたらなと思います。
私の覚え方が、あなたの参考になることを祈ります♪
おざなりにせずしっかりと!
今回は、おざなりとなおざりの違いについて詳しく解説していきました。
一見似ている二つの言葉ですが、意味を見比べてみるとその違いは一目瞭然です。
適当にやっている
そもそもしていない
するとしないとでは大違いですよね。
・・・まあ、本来は適当にやっている時点であまり褒められたものではないのですが(笑)
最近では、この二つの言葉を混同して用いているケースをよく見かけます。
ですが、本来の言葉の意味を考えると、【おざなり】【なおざり】を同じ意味で用いるのは、明らかにおかしな話しです。
それこそ、使い方をおざなりにして適当に文章を書いている証拠です!
折角言葉を用いるのなら、正しい意味で使いたいものですよね。
もしかしたら、間違えて覚えている方もいるかもしれません。
というか、私も最初おざなりをなおざりの意味で覚えていた人間です(笑)
私自身覚え直しの際感じましたが、自分が一度間違って覚えた知識を記憶し直すのはかなり苦労してしまうものです(ーー;)
ですが、言葉の間違いを直すことは、毎日言葉を口にし、文字にしている私たちにとって重要な勉強の一つです。
なおざりにせず、しっかりと覚え直してくださいね(^^)