苦悩と苦痛の違い!意味や葛藤との使い分け方も例文解説

母国語だからこそ何となくで済ませてしまっていて、正確な意味を知らない言葉もたくさんあると思います。 苦悩と苦痛、葛藤はその一つではないでしょうか。   どれも聞き馴染みのある言葉で何となくの意味はわかっているか […]

母国語だからこそ何となくで済ませてしまっていて、正確な意味を知らない言葉もたくさんあると思います。

苦悩と苦痛、葛藤はその一つではないでしょうか。

 

どれも聞き馴染みのある言葉で何となくの意味はわかっているかもしれませんが、これらの正確な意味や使い分けはなかなか難しいもの…

ここでは、知っているようで意外と知らない苦悩と苦痛の違い、葛藤との使い分けなどを解説していきたいと思います。

記事は下に続きます。

苦悩の意味

まずは苦悩の意味からです。

苦悩の辞書的な意味は以下のようになります。

 

①あれこれと苦しみ、悩むこと

 

これはまさに読んで字のごとくですね。

「苦悩」は苦しいと悩むという字から成り立っています。

 

まさに思い悩んでもがき苦しんでいることを表していますが、

この「苦悩する」ということは誰しも経験があるのではないでしょうか?

使い方を例文で解説

では苦悩の使い方を例文を交えて解説をしていきます。

 

【数学の難問に苦悩する】

数学に限らず難しい問題にぶち当たった時、誰しも思い悩んだ経験をしたことがあると思います。

 

苦悩はまさにその状態ですね。

肉体的に苦しいというよりは。精神的に悩んだり、苦しい思いをしている時によく使われます。

 

【苦悩の表情を浮かべる】

 

苦しい様子を表すのにも苦悩はよく使われます。

これは、上記のような苦悩をしている人を客観的に見て表している状態ですね。

 

【彼は苦悩の末に実験に成功した】

こちらも何度も実験に失敗しながら、考え思い悩んだ結果、成功したという例文ですね。

 

このように苦悩は、苦しんではいますが、「脳」という言葉があるように、それは頭の中や気持ちの面で苦しむ様子を表します。

 

ニュアンスとしては思い悩むなどが近いですね!

苦痛の意味

続いて苦痛の意味です。

苦痛の意味は以下の通りになります。

 

  1. 肉体の苦しみや痛み
  2. 精神的な苦しみ・悩み

 

②の場合は苦悩とほぼ同義の言葉になります。

ですが苦痛の場合は①のように、言葉や分脈から肉体の苦しみを表す際の情報も付加がされています。

 

ですので、苦悩は広義の意味では苦痛に含まれます。

苦悩の意味+肉体的な苦しみが苦痛と解釈しても問題ないと思います。

使い方を例文で解説

では苦痛の使い方を例文を交えて説明します。

 

【苦痛の表情を浮かべる】

 

これは上記の苦悩とほぼ同じ例文になります。

意味としてはほぼ同じ意味になりますが、苦痛のニュアンスとしては、肉体的に痛いのを我慢して苦しんでいる表情になります。

 

【彼は小さい頃から集団行動が苦痛だった】

こちらは精神的な苦しみを表した例文になります。

 

苦悩の場合はニュアンスとしては思い悩むが強いですが、悩んでいるわけではなく、精神的ないし肉体的に苦しいという状況の場合は苦痛で表すことができます。

 

【彼は苦痛な練習を乗り越えて、プロスポーツ選手になった】

 

この場合の苦痛は、肉体的と精神的の両方の意味が含まれています。

苦痛な練習というのは肉体的か精神的かの判断はつきません。

 

しかし逆に言えばそれらをひっくるめた辛い状況に苦痛は使うことができます。

葛藤の意味

では続いて葛藤の意味です。

葛藤の意味は以下のようになります。

 

  1. 人と人とが譲ることなく対立すること
  2. 心の中に相反する欲求が同時に起こり、どちらか迷うこと

 

①のように実際に対立をする時にも使われますが、馴染みがあるのは②のような心の内の葛藤でしょう。

 

葛藤は迷う状態で使われますが、迷う内容が心の中で相反する欲求という限定的な使われ方をしています。

ですので、苦悩のさらに限定的な使い方という解釈をしても問題がありません。

 

よくある葛藤を表すイメージで、心の中で天使と悪魔が争っているような状況がありますね。

あのイメージのように善意と悪意が心の中で争っているという状況が葛藤です。

苦悩・苦痛・葛藤の使い分け方

では苦悩・苦痛・葛藤はどのように使い分けをすればいいのかをまとめていきます。

まず、大まかに苦しいということを伝えたい時には苦痛が使われます。

 

この苦痛は肉体的にも精神的にも苦しいという状況であれば使えるので、一番汎用性がある言葉です。

 

その苦しいという状況の中で、思い悩むなど、主に頭を使って「悩んでいる」という状況には苦悩が使われます。

苦しくて辛いというよりは、苦しんで悩んでいるというニュアンスに重点が置かれています。

 

そして、その悩んでいる内容が難題などではなく、心の中で相反するものの場合は葛藤が使われます。

 

微妙な状況の違いによって苦悩・苦痛・葛藤の使い分け方も変わってきて伝わるニュアンスも違うのでぜひ覚えておいてくださいね。

まとめ

苦悩・苦痛・葛藤は聞き馴染みのある言葉ですが、このような違いがありました。

 

普段言葉として使っているので、無意識にこのように使っているかもしれません。

しかし、いざしっかりと文章で正しく理解をすると、頭がスッキリしますよね。

 

苦悩・苦痛・葛藤は微妙なニュアンスの違いを伝える日本語の面白さが詰まっています。

 

ぜひしっかりと使いこなして、言葉と共に気持ちや状況を伝えるようにしてくださいね。