怒鳴ると大声の違いを解説!意味や使い方を例文で紹介

あなたは「怒鳴る(どなる)」と「大声(おおごえ・たいせい)」の違い、それぞれの意味を正しく理解できている自信はありますか?   「怒鳴る」は地鳴りのような低い声で、「大声」は高くてよく通る声? ・・・いえいえ、 […]

あなたは「怒鳴る(どなる)」と「大声(おおごえ・たいせい)」の違い、それぞれの意味を正しく理解できている自信はありますか?

 

「怒鳴る」は地鳴りのような低い声で、「大声」は高くてよく通る声?

・・・いえいえ、もちろんそのような声質の違いではありません!

 

今回は「怒鳴る」と「大声」のそれぞれの意味と、その違いや使い分け方について徹底解説いたします!

記事は下に続きます。

怒鳴るの意味

あなたが「怒鳴る(どなる)」と聞いてイメージするのは、どのようなシチュエーションでしょうか?

先生や上司、あるいは親から叱られる・怒られる時のシチュエーションをイメージしたかもしれません。

 

「怒鳴る」の意味の一つは「大声でしかる・声高にしかりつける」ですから、叱られる時のイメージで間違っていません。

怒ったり、しかりつけたりするときに出す大声のことを指して「怒鳴り声」と言います。

 

「怒鳴り込む」だと、「相手のいる場所に入り込み、激しい口調や大きな声で抗議・非難する。 」になります。

ただし「怒鳴る」のもう一つの意味は「大声で言う。大声で叫ぶ。」であり、叱りつける場合でなくても使う言葉です。

使い方を例文解説

「怒鳴る」の使い方を例文で解説いたします!

 

怒鳴るの例文
  • 「あの部長は部下が些細なミスでもしようものならすぐに怒鳴ることで有名だよ」
  • 「そんなに怒鳴らなくても聞こえていますから」
  • 「人混みの中で、あの人に聞こえるように声をかぎりに怒鳴った」
  • 「突然、近所の人がうちの工場に騒音の文句を言いに怒鳴り込んできて驚いた」
  • 「そんな風に怒鳴ってばかりではなんの解決にもならないよ」

 

やはり怒る・叱るシチュエーションで使われることが多い言葉ですね!

大声の意味

「大声(おおごえ・たいせい)」はその字を読んで如く「大きな声」であり、「大きな声を出すこと」の意味になります。

「大声を出す」という使い方の他、「大声を発する」や「大声を上げる」もよく使われます。

 

「大声」にはいくつかの意味がありますが、「大きな声」という意味での類語には「大音声」があります。

「大声」の反対語はそのまま小さな声、つまり「小声」です。

 

逆にさらに大きな声を出す表現では、「大声を張り上げる」と言ったり、大きな声を出せるかぎりの大声を出して叫ぶ場合は「絶叫」という言葉が使われます。

その一方で、「大声」を「たいせい」と読む場合には、別の意味にもなります。

 

その一つは「高尚な音楽。上品な音律。」という意味で、もう一つは「偉大な道理を含んだ言葉。」という意味です。

これらの意味で使われた例として非常に有名なのが、「大声里耳に入らず(たいせいりじにいらず)」という荘子の『天地』の中にある一節です。

 

「大声里耳に入らず」の意味は、「高尚な音楽、上品な音律というものは俗人の耳には入りにくい。高尚な道理や議論というものは俗人には理解されにくい。」になります。

 

日常で「大声」と言えば、ほとんどの場合「大きな声」で使っていますが、故事成語やことわざで使う場合は違う意味かもしれないので注意してくださいね!

使い方を例文解説

「大声」の使い方を例文で解説いたします!

 

大声の例文
  • 「深夜に外から何者かの大声が聞こえてきて、目が覚めてしまった」
  • 「そんなに大声を出さなくてもちゃんと聞こえています!」
  • 「ここは病院ですから、大声は出さないでくださいね」
  • 「人混みの中、知り合いを見つけたので思わず大声で呼んでみたが気づいてくれなかった」
  • 「ジェットコースターに乗った彼女は大声で叫びながら楽しんでいた」

 

大声は、笑い声や呼び声、泣き声など、様々なシチュエーションで使われていますね!

怒鳴ると大声の違いを解説

では「怒鳴る」と「大声」の違い、そしてその使い分けはどうすればいいのでしょうか?

 

上記で説明したように、「怒鳴る」の一つの意味は「大声で言う。大声で叫ぶ。」であるため、ただ大きな声を出す場合は「怒鳴る」でも「大声」でも構わないことになります。

 

しかしながら、「怒鳴る」は「怒」という漢字を使っていることもあり、「(大きな声で)しかりつける」意味で使われることが多く、多くの人がそのイメージで受け取ります。

「大声で怒鳴る」といった使われ方は、同じ意味の言葉を重ねたおかしな表現のようにも思えます。

 

しかし、「大声で怒鳴る」が受け容れられているように、「怒鳴る」の意味は「怒る・叱る」が強くなっているようです。

 

以上のことから、大きな声を上げた時の表現は、「怒る・叱る」シチュエーションでは「怒鳴る」「大声(を出す・上げる)」どちらかを使い、それ以外のシチュエーションでは「大声」を使った方が理解されやすいでしょう。

まとめ

「怒鳴る」と「大声」のそれぞれの意味と、その違いや使い方について解説いたしましたが、いかがでしたでしょうか?

どちらも本来の意味では、単に「大きな声(で言う・叫ぶ)」で重なる部分もありますが、実際には使い分けられています。

 

また「大声(たいせい)」には「大きな声」以外の意味もありますから、間違えないようにしてくださいね!