止める・停める・留めるは、いずれも「とめる」という読みをする言葉です。 同じような意味を持ちながらも、微妙に意味の違いがある漢字でありながら、「停止」「停留」のように重ねた熟語も存在しています。 それぞれどのような意 […]
止める・停める・留めるは、いずれも「とめる」という読みをする言葉です。
同じような意味を持ちながらも、微妙に意味の違いがある漢字でありながら、「停止」「停留」のように重ねた熟語も存在しています。
それぞれどのような意味があり、どのような場面で使えばいいのでしょうか?
止める・停める・留めるの違い、それぞれの意味と使い方を例文で解説いたします!
Contents
止めるの意味
「止める」には
「動いているものの動きを停止させる」
「今まで続けていた事を、やめさせる・もう行わなくする」
の2つの意味があります。
「動きを停止させる」意味では、物理的に動いているものの他に、電気やガスで動作しているものも含まれます。
「続けていた事をやめさせる」意味では、様々な行為や現象が含まれます。
止めるの使い方を例文解説
止めるの使い方を、例文で確かめてみたいと思います。
- 「電池で動くおもちゃを止める」
- 「鍋が焦げ付きそうになったので慌てて火を止めた」
- 「ゲームの取り合いから始まった兄弟のけんかを止めた」
- 「あまりの光景に足を止めて眺めずにはいられなかった」
- 「頭の痛みを止める薬をもらってきた」
- 「社長の一言でプロジェクトを一旦止めた」
- 「死にものぐるいで連勝を止める」
このように動いているものを止める、現在進行中のものをやめさせる場合に使います。
停めるの意味
「停める」は主として乗りものに使われます。
- 「止める」は「動いているものの動きを停止させる」
- 乗りものをどこかに留める場合には「停める」
がそれぞれ使われます。
「停車」という漢字を思い浮かべるとその使い方も分かりやすいかなと思います。
停めるの使い方を例文解説
次は、停めるがどういった時に用いられている漢字かを紹介します。
- 「駅前の有料駐輪場に自転車を停める」
- 「道路に停まっている自動車が邪魔でしょうがない」
- 「目的のお店には駐車スペースがないので少し遠くの駐車場に車を停めた」
- 「車両基地に停めていた新幹線が全て水没してしまった」
ちなみに、「止まれ」の標識で一時停止する車両は、道路交通法上「停車」という扱いになります。
この場合は「止める」と「停める」のどちらを使っても間違いとは言えません。
留めるの意味
「留める」は「とどめる」とも読む通り、その意味は「固定して動いたり離れないようにする」になります。
また、「心に留める」「目を留める」のような使い方の「とめる」は、「関心を向ける」「注意する」という意味を指す言葉です。
留めるの使い方を例文解説
- 「洗濯物が飛ばないように洗濯ばさみで留める」
- 「お気に入りのヘアクリップで髪を留めた」
- 「逮捕した容疑者を取り調べのため留置場に留める」
- 「先生の言った言葉はしっかり心に留めておいた」
ホチキスやテープなどの道具を使って、固定しておく場合にいは「留める」を使います。
ヘアクリップは日本語で言えば「髪留め」です。
留置場などにとめる場合は「とどめる」と言うのが一般的です。
止める・停める・留めるの使い分けを紹介
それでは、止める・停める・留めるの使い分けをどのようにすればいいのか…
実際に、3つの「とめる」の使い方を、よく使う事例で確認しつつ見ていきます。
ホチキスをとめるは?
ホチキス(ステップラー)やネジなどを使ってとめる場合は、「固定して動いたり離れないようにする」行為なので「留める」を使います。
例:「会議の資料をホチキスで留める」「ぶらさけるためのフックをネジで壁に留める」
車をとめる
自動車などの乗りものの動きを停止する場合は「止める」を使う場合もあります。
その乗りものをどこかにとどめる場合は「停める」を使います。
俗にではありますが、自動車の場合は「駐車」と「停車」の違いを表すために、敢えて「駐める」(長時間)と「停める」(短時間)を使いわけることもあるそうです。
例:「お車は裏にある駐車場に停めていただけますか」「そこに自転車を停めてはいけません」
自転車をとめる
自転車を駐輪場にとめる場合は「停める」を使います。
一方、走っていた自転車の動きをとめる場合は「止める」を使うこともあります。
例:「自転車置き場に停めておく」「警察官が不審な自転車を止めた」
気にとめる
何気に漢字がわかりにくい「気にとめる」は「留める」を使います。
「気に留める」は心に留めて置くことや、忘れずにいることを意味する慣用表現になります。
例:「彼の忠告は気に留めておくべきだと思うよ」「あいつが言ったことなんで気に留めておく必要はない」
目にとめる
「目にとめる」「目をとめる」も「気にとめる」と同様に「留める」を使います。
例:「偶然スカウトの目に留まり、プロへの道が開けた」「机の上に置いてあった写真に目が留まる」
まとめ
止める・停める・留めるの違いと使い分けを紹介していきました。
今回のポイントをまとめると…
- 「止める」は「動いているものの動きを停止させる」という意味
- 「留める」は「固定して動いたり離れないようにする」という意味
- 「停める」は「乗りものをどこかにとどめる」という意味
「動いている」ものをとめる場合は「止める」、「動いていない」ものを固定する場合は「留める」というのが大きな違いで、乗りものでは「停める」を使います。
どれも似ているのでうまく使い分けるのはとても難しいですね。
「停止」や「停留」といった熟語もあるので、これらを使うのも一つのテクニックになります。
今回、この記事を読んだことを機会に、うまく使い分けしていただけば幸いです。