重複の正しい読み方、自信がありますか? たまには、クイズから入ってみようと思います(^^) 問題 重複の読み方は、どっち? じゅうふく ちょうふく さて、正解はどちらでしょうか? 答えはこの後 […]
重複の正しい読み方、自信がありますか?
たまには、クイズから入ってみようと思います(^^)
問題
重複の読み方は、どっち?
- じゅうふく
- ちょうふく
さて、正解はどちらでしょうか?
答えはこの後すぐにお伝えします( ̄ー ̄)
今回は、重複という漢字の正しい読み方について、詳しく見ていきます。
Contents
重複の正しい読み方を広辞苑でチェック!
それでは早速紹介していきます。
今回は、重複の正しい読み方や意味・何故そう呼ばれるようになったか等について紹介していきます!
・・・の前に、クイズの正解を(^^)
正しい読み方ですが、こちらは
ちょうふく
が正解です!
「じゅうふく」ではないので、くれぐれもご注意を(;・∀・)
言葉の意味ですが、広辞苑では
- 同じ物事が幾度も重なること。
- かさなりあうこと。
- じゅうふく。
(広辞苑参照)
と書かれていました。
ちなみに、同じく広辞苑にて「じゅうふく」で調べてみると、
➡ ちょうふく
このように書かれていました。
あまりに多くの方が「じゅうふく」と読むので、それ用の説明文まで書かれているようです(笑)
更に、デジタル大辞泉では、【じゅうふくは「ちょうふく(重複)」に同じ】と表示されています。
じゅうふくの欄には【ちょうふくを参照するように】と書かれています。
意味自体は、結構簡単に理解できるんですけどね(^_^;)
同じものが重なる。
これだけなら、誰でも分かる普通の言葉なのですが・・・その漢字の読み方で苦労するのが、日本語のなんとも難しいところです(ーー;)
- 【重】は重なる
- 【複】は2つ以上
といった意味をそれぞれ持つ言葉です。
これらを合わせると、
2つ以上の同じものが重なる
となりますので、重複の意味自体は、言葉の形からでも想像できる本当にわかりやすい言葉と言えますね(^^)
ちなみに、中国語での発音では、
- 「ちょう」は重なる
- 「じゅう」は重い
という意味となっています。
ここからも【ちょうふく】と読むのが正しい読み方なんだなと見て取れます。
基本的にはちょうふくが正しい読み方なのですが・・・実は、じゅうふくも間違えではないんです。
時代の流れの中で生まれた、いわば現代生まれの新しい読み方です。
次は、それについて説明していきたいと思います。
じゅうふくは慣用読み!
時代の流れの中で生まれた新しい読み方を【慣用読み】といいます。
慣用読みの【慣用】とは、
使い慣れる事
一般・普通に使う事
の意味です。
日本独自の漢字には、漢字の単語の読み方が一つでないものが多いです。
音読みや訓読み、またはその組み合わせで読み方が出来てしまうのが原因かもしれませんね(^_^;)
たとえば寒気という単語ですが、
- かんき
- さむけ
どちらで読むことも可能です。
しかし、【かんき】と【さむけ】では、意味が全く違います。
貼付という単語も、【ちょうふ】と読んだり【てんぷ】と読んだり、更には【はりつけ】とまで読まれるようになっています(^_^;)
「はりつけ」は本来、封筒に切手を貼付するというように貼り付ける時に使われていた言葉です。
「てんぷ」は、資料を添付する意味合いだったのに、いつの間にか意味もあいまいな状態で読み方だけが広まっています…
この分では、そう遠くない将来貼付=【てんぷ】で慣用読みとして認められそうです(ーー;)
間違った読み方ではありましたが、あまりに多くの方がそう読むから、いつの間にか正しい読み方になった。
これが、慣用読みなのです。
ちょうふくが正しいのに、みんながじゅうふくと言うから、いつの間にか
- ちょうふく
- じゅうふく
どちらも読み方として成立してしまった…
まさに、重複(じゅうふく)こそ、慣用読みの代表と言えるでしょう(^_^;)
選挙の時期になれば分かるのですが、テレビでも選挙報道などの際、じゅうふくと使っています。
・・・それで良いのか、キャスター。
報道の場ですら当たり前のように重複=じゅうふくと読まれている現状
ちょうふくと読める人自体が少なくなってきている
これらを考慮すると、「ちょうふく」・「じゅうふく」どちらも正しい読み方という曖昧な結論に至っても仕方がないのかもしれません…(;・∀・)
いつから「じゅうふく」と読んでいるの?
じゅうふくと最初に読まれ始めたのは、実は100年以上も昔の話です。
松原岩五郎という方が書いた【最暗黒之東京】という作品が、1893年に出版されています。
その一文に
「古物商の中間に働らく仲買の多数は概して失敗を重覆(ヂウフク)したる商人の落武者にして」
というものがありました。
これが、歴史上最も古い【重複をじゅうふくと読んだ記録】とされています。
現代読みだと思っていたのですが、120年以上前から間違って読まれていたんですね【重複】(ーー;)
習った世代によって、読み方が変わる!?
細かく調べてみた所、どうやら
昭和初期~中期世代の方は【ちょうふく】
最近の若い世代はほぼ100%【じゅうふく】
で、それぞれ習っているみたいです。
デジタル時代の現在では、パソコンやスマートフォンが必需品となっています。
これらの機器では、
- ちょうふく
- じゅうふく
どちらで打ち込んでも、重複が変換として出てきます。
つまり、間違った読み方を覚えていても何も問題がなくなっているのです!
言葉は生き物と言われるように、時代に合わせて刻々とその姿を変えていくものです。
時々、文部省が漢字の読み方や意味を改正していることこそが、まさにそれを証明しています。
ちなみに、意味が変わった言葉には【爆笑】も含まれています。
もともと大勢で笑うという意味だったとは…驚きです(ーー;)
➡ 1人で爆笑は意味間違い?LINEやメール・辞書で変化した使い方を紹介!
漢字の読み方も変化してしまう時代です。
このまま行けば、いずれはじゅうふくこそが正しい読み方に改正される日が来るのかもしれません…
アンケートを覗いてみた
ですが、少し待ってください!
とあるサイトにあった、会社員の方300人へのアンケートでは、
ちょうふくと読む方が60%
というデータが出ていました。
つまり、今社会人の方に限って言えば、まだまだ正しい読み方の人が多いのです!!
(マイナビニュース参考)
では、「ちょうふく」読み派のご意見をきいてみましょう(^^)
- IT関連の言葉で、重複処理しいう言葉があります。この場合、ちょうふくと読むのが一般的なので。
- 仕事でじゅうふくと言ったら、ちょうふくと教えてくれた。
- 学校でならった読み方がちょうふくだったから。
- 先ほどの選挙番組の報道で、ちょうふくとよまれていたから。
このように、近くの人がちょうふくと読んでいるのを、そのまま受け入れているようですね。
仕事上でのこうした読み間違いは、プレゼンなどに大きく影響してします・・・
それを防ぐため先輩社員らが教えてくれたり、あるいは先輩が文字を読んでいる姿から学ぶことも多いようです。
では、じゅうふく派の意見はどうでしょうか?
会社の人たちはみんなじゅうふくと読むので。
どちらの読みでもこだわらないが、じゅうふくと読むのがくせになっている。
じゅうふくの方が馴染みがあるから。
違和感がありながらもじゅうふくとよんでしまう。
いかがですか?
ここまでで、どう感じたでしょうか。
周りの人たちが
「ちょうふくと読むのが正しいんですよ~」
と拡散すれば、ちょうふく派がもっと増えていくと思うのは私だけでしょうか(^_^;)
ここに面白いデータがあります。
平成15年度に行われた文化庁の国語に関する世論調査で、重複の読み方が調査されていたのです。
・・・暇なのか、文化庁(笑)
その結果はなんと!!
ちょうふくと読む人は、たったの20%だったのです!
反対にじゅうふくと読んだ人が76%にも登っていました!!
7わり以上の方が、間違った読み方であるじゅうふくを用いていたのです。
この結果を見るだけで、10年の歳月をかけて、本来の読み方であるちょうふくが徐々に復活して来ているのが分かります。
間違った読み方が浸透し、いつの間にか正しい読み方が浸透を始めている。
日本語って、本当に面白いですね(^^)
重複は「ちょうふく」「じゅうふく」どっちもOK!
今回は、重複の読み方について紹介させてもらいました。
じゅうふく
ちょうふく
どう読むのか、それは・・・どっちでも正しいのです!(笑)
もちろん、正式に言えば「ちょうふく」です。
しかし、慣用読みである=みんなが使っている読み方が「じゅうふく」である以上、意地を張って「ちょうふく」読みする必要は必ずしもあるとは言えません。
決まりがない以上、使いたい方を使って大丈夫です(^^)
ですが、頭の片隅に、「ちょうふく」と読まれていたということを覚えておくのはオススメします。
特に会社の上司や目上の人の前では、しっかりと「ちょうふく」と読むようにしましょう。
たったこれだけで、
「お、こいつは物を知ってるな」
と評価が上がっていくものです。
とは言え、あくまでも正式にはちょうふくと読むのが正しいです。
今後は、この情報がどんどん広まって、ちょうふくと読む人が増えていけばいいなぁ~と思います。
時代と共に変化していく言葉。
10年後、重複は「じゅうふく」「ちょうふく」、一体どちらの読み方になっているのでしょうか?